もち麦の国産化推進へ兵庫県加東市と連携 マルヤナギ小倉屋

マルヤナギ小倉屋は22日、兵庫県加東市と連携協定を結んだ。両者は今後、健康や食育に関する12の事項において連携を進める考えだが、今回の一番の目的は“もち麦”の国産化推進である。

同社は成長を続ける蒸し豆とともに、もち麦の開発と育成に注力してきた。大豆に比べもち麦の国内生産量は少なく、ブームを背景に「異常な価格となり、手に入りにくい状況」(柳本勇治副社長)となっていた。

こうした中、「もち麦を何とか国産化できないか」(同)と、5年ほど前から全国で生産者を探し続け、17年に加東市のJAみのりと契約栽培をスタート。2年目となる今年5月には70t(乾燥調整前)を収穫した。9月には新ブランド『マルヤナギwith日本の農家さん』を立ち上げ、もち麦や蒸し大豆を使った6品を発売する。このうち、「スープで食べるもち麦」など4品に加東市産のもち麦を使用。

今後、小麦を生産していた市内の農家はすべてもち麦生産へシフトする予定で、この秋の作付面積は前年の3倍となる110ha、収穫量は200t以上を見込む。収穫されたもち麦は同社が全量を買い取る。

このほか、乾燥したもち麦を商品化し市内のスーパーや道の駅で販売したり、地元の高校ともち麦を使った新商品を開発するなど、地元産の認知度向上に努める考えだ。

もともと同社は50年前、旧・加東郡社町に工場を設立。現在は蒸し豆などを製造する社工場、佃煮や惣菜の大門工場という2つの生産拠点を市内に構えており、生産額は全生産量の8割以上を占める。柳本一郎社長は「農家もよし、地域もよし、われわれもよしという三方よしの食材として、新ブランドの商品を通し加東市のもち麦をしっかり展開していきたい」と話している。

また、加東市の安田正義市長は「この地域は山田錦の特産地で、稲作を基軸に振興作物にも力を入れてきた。その一つがもち麦だ。マルヤナギさんには健康的な食品として販売を促進してもらい、市民の健康維持にもつなげていきたい」と期待を示す。

地元高校生と商品開発

会合で試食する生徒ら

マルヤナギ小倉屋は加東市の県立社高校と、もち麦を使った商品の開発を進めている。これまで2回のミーティングを通し、もち麦やだしについて学んだ後、市販のさまざまな食品と組み合わせたりしながら方向性を決めた。

商品化するのはもち麦を使ったスープで、このほど開いた3回目の会合では、マルヤナギ小倉屋総合企画室の山崎希リーダーが和風トマト、豆乳ポタージュ、粕汁など5種類の粉末スープを用意。生活科学科の生徒が試食しながら、もち麦との相性を探った。

生徒からは「この風味なら豆乳が苦手な人でも味わえる」「粕汁はみそが入り意外に飲みやすかった」などの声が上がった。

今後、夏休みに開かれる地域のイベントで地元の人の意見などを聞きながら、10月末頃の商品化を目指す。