沢庵漬 フレコン収穫を推進 原料農家の作業負担を軽減

沢庵漬の有力メーカーが原料農家の作業負担軽減に取り組んでいる。農家の高齢化と収穫作業時の労働力不足により、加工用大根の出荷量は年々減少しているが、農家を収穫時の重労働から解放するハーベスター&フレコンバッグの推進により、逆に原料の作付面積を増やすメーカーもある。

沢庵産業の課題は引き続き原料面にある。南九州特産の干し大根は近年、生産農家の減少スピードが加速している。櫓で大根を干す作業が重労働であり、農家の高齢化と労働力不足により年々生産量が減少している。メーカーも有効な対策を見いだせず、今後も生産量は減少すると見られる。

一方、塩押し沢庵の原料となる生大根の生産も農家の高齢化と収穫時の労働力不足という深刻な問題を抱えている。将来の生大根減産を見越して、課題解決にいち早く取り組んできた南九州の沢庵メーカーがある。

東海漬物グループの九州農産(宮崎県東諸県郡国富町)は8年前にハーベスターを導入し、原料農家に対して収穫方法を革新する姿勢を示した。ハーベスターによる収穫では特殊なフレコンバッグを使用し、1m四方で500~700本も入る。これをユニック車で運搬する。

フレコン収穫に切り替えれば、従来のように高齢農家が畑で10本10kgの大根を抱えて運ばなくてもよい。今では同社取引農家の60~70%がフレコンバッグを使用している。

農家の作業負担が大幅に軽減される一方、工場側の作業負担は増すことになる。そこで同社はバランスネットコンベアや大型洗浄機を導入し、工場内の機械化を進めた。これにより手の空いた人員を原料の検査など他の作業に回すことができる。

また、フレコン収穫では従来のように農家で選別された原料ではなく、無選別の状態で工場に受け入れることになる。同社では入荷時に原料を検査するほか、二押しから三押しへの漬け替え、あるいは二押しから調味へ移行する際に選別を行っている。

先頃、熊本市で開かれた全日本漬物協同組合連合会の沢庵部会で、九州農産の梅元寿敏常務は「重労働かつ反収が上がらないため、農家は大根を作りたがらない。それなら大根を魅力ある作物に変えればよい。機械化により労働力の低減と反収アップを実現し、作付面積は年々増えている」と説明した。

フレコンバッグによる原料の受け入れは、同社だけでなく南九州や新潟の同業他社でも行われている。この手法は今後ますます広がりそうだ。沢庵産業を永続させるためには原料農家の作業負担を極力軽減する必要があり、機械等の初期投資を含めてメーカーの受け入れ体制構築がカギとなる。