次世代「情報卸」構想 日本アクセス、小売のEC対応支援

日本アクセスは、第7次中計(18-20年度)の重点テーマに位置づける次世代ビジネス戦略として、小売業のIT戦略をサポートする「情報卸」としての機能を強化する方針を明らかにした。

5月30日の決算会見で佐々木淳一社長は「IT技術の急速な進化とスマホの普及により、Eコマース市場の拡大が進み、リアル店舗である小売業も対応が求められている。メーカーと小売業を商品と物流でつなぐ従来の食品卸ビジネスに加え、次世代の情報卸としてITを活用した情報サービスプラットホームを提供していく」と語った。

具体的な取り組みでは、子会社のD&Sソリューションズが実動部隊となり、小売業の了解のもとで得たデータを分析し、最適な売場の実現や受発注・在庫削減、One To Oneマーケティングによる双方向の顧客ロイヤリティプログラムの提供やキャッシュレス対応などを支援する。

「クーポンアプリの開発など、さまざまなプログラムを一括で開発したり、顧客データを活用した商品・売場づくりなど、小売業さまのEC対応を効率的にサポートするのが狙い。これによって小売業さまの売上げが上がれば、われわれの卸事業の拡大につなげていく」(中村洋幸取締役常務執行役員商品統括マーケティング管掌)。

顧客データ提供については小売業との了承のもと、D&Sが管理・分析を行う。日本アクセスが小売業のデータに直接関与できないスキームにも配慮する。今期から数社の小売業と実証実験をスタートさせる。

また、佐々木社長は「Eコマースが台頭する中で、これまでのBtoB主体のビジネスモデルを進化させ、BtoBtoCに広げていく必要がある」とし、同社の物流インフラを活用したECビジネスの展開を進める方針を披露。

その一環として、今年1月からAmazonマーケットプレイスに出店し、自社ブランドの常温商品「miwabi」の販売を開始。6月からは低温品の取り扱いも広げる。また、ネットスーパーなどBtoBtoCでのラストワンマイルを担う物流サービスの検討や、EC事業者と連携したミールキットのデリバリーなどの取り組みを強化する。

そのほか、今年度の重点施策として、健康増進プロジェクトや生鮮デリカ、乾物乾麺などの「商品開発と販売強化」、フルライン卸戦略における「酒類・菓子事業の強化」、川上・川中の仕入れ効率化を推進する「温度帯別のロジスティクス戦略の実行」、「外食・海外事業の拡大」を進める方針。

佐々木社長は「トップラインの拡大が難しい中で、フルライン戦略におけるインストアシェア拡大は重要テーマであり、酒類・菓子事業はM&Aやアライアンスも含めた事業拡大を進める。ドライについてもまだまだ伸ばす余地はあり、限界利益のガイドラインに沿って売上げ・利益の拡大を目指す」と語った。