アイネットホールディングスは秋冬に向けて「味の花壇(かだん)」「テレサ」「京都かれん」から新商品を投入するなどしてオリジナルブランドの菓子を強化していく。
6月27日、都内で開催された展示会「AINET FOODSHOW‘25~時流の変化に挑戦」では、アイネットHDのオリジナルブランド商品のほか、メーカー73社出展による多彩な菓子が集められ、小売業の来場者に向けて菓子の裾野の広さをアピールした。
“厄を切り、福を呼ぶ”とされる恒例の「とんとん」飴切りの実演(評判堂)や、初の試みとしてせんべいのフライの実演(スギ製菓)が行われた。
開催前の朝礼で挨拶した小黒敏行社長は「全国から小さなお店の商品を集めており、幅広く提案していきたい」と力を込める。

アイネット・オリジナルブランドの一押しは、「味の花壇」から新発売される「ペペロンチーノえびせん」。原材料ににんにくと海老を使用しあとを引くおいしさに仕立てた。
同じく「味の花壇」から発売している大サイズの揚げあられの「かわら」は、パッケージを刷新した。
「京都かれん」の新商品「紅白糖」は、外はシャリッと中はぷるんとした赤と白の琥珀糖を詰め合わせた商品でお祝いのプチギフトにも好適。賞味期限210日を誇るのは「京都かれん」から新発売される栗風味の落雁(粉糖菓子)「小さな栗みつけた」。
「東京カレン」からは、そばぼうろう・金平糖・卵黄ボーロを詰め合わせた「福だるま」を新発売する。

メインブランドの「アイネット」では、幅広いカテゴリの菓子約60品の中で和菓子の「ことり」が引き続き売れ筋。直近の動きとしては、「二度ぬりふ菓子」が5月にラジオ番組で紹介されたことで脚光を浴び、流通からの引き合いが強まっているという。
アイネットHDの強みがいかんなく発揮されるのが個食提案のコーナー。衝動買いを促すのに有効な手立てとして、ひとくちサイズの多種多様な菓子をレジ前などに提案している。
同社の源流には、合併したギフト卸企業がある。これにより、スーパーなどの小売業の主要業態に加えて、個人経営の和菓子屋やパン屋など専門店市場を販路に持つ。
進物(ギフト)を強みとし、進物にアソートされるバラ菓子を常時在庫し急な発注にも対応できるようになっている。

7年前からカタログによる進物や単品の受注も行っている。シーズンごとに小売店・和菓子屋・洋菓子屋にカタログを配布し季節の商品やエリアにフォーカスした商品をアピールしている。
6・7・8合併号には夏のギフトやお盆・法事のお供え菓子、九州フェアを掲載している。会場には、エリアごとに地域に根差した商品を集めた展示コーナーも設置された。
同社では、小規模の小売業に向けて「ストアシェア80(SS‐80)」を用意している。これは同社が菓子売場の8割の陳列と在庫を請け負うもの。各売場の商圏や顧客層などを加味して、大手NB商品・PB商品・自社ブランド商品をバランスよく並べる。
現在、約640店舗の小売業が登録し、そのうち約50社の運営を請け負っている。
アイネットHDは今期(8月期)、値上げ効果のほか、皇居外苑を受託管理する国民公園協会監修の土産菓子「皇居外苑」商品や一部スーパーでの販売が寄与して5期連続の増収を見込む。
