「サントリー天然水」ミネラルウォーターを積極的に飲用している10代に照準

 サントリー食品インターナショナルは「サントリー天然水」でミネラルウォーターを積極的に飲用している10代もターゲットにおいたコミュニケーションを継続していく。

 取材に応じた佐藤匡ブランドマーケティング本部課長は「3月に発表し当社のミネラルウォーターに関する消費者飲用実態・意識調査によると、10代が長期的な健康・美容のために積極的にミネラルウォーターを飲用していることが判明した。10代はボリュームとしては大きくないが、次世代ユーザーを育てていくため10代に向けたコミュニケーションを継続していく」と語る。

 同調査は、1991年から継続して実施・発表され、今回から調査対象者に10代を加えた。今回の調査は、2024年9月、首都圏と関西圏に居住する15~69歳の男女538人を対象に実施された。

 これによると、水の飲み方において“一日の中で定期的に水を飲むようにしている”と答えた10代の割合が、他年代と比較して10ポイントほど高かった。

 “あえて水を選ぶことがある”の設問においても10代が他年代よりも20ポイント以上高く、特に60代と比較すると35ポイントほど差があり、若年層はさまざまな飲料カテゴリーの中で積極的に水を選んでいることが判明した。

 その理由として、10代の“水を飲むことが自身の健康や美容に寄与する”との意識が他の年代と比べて高いことが浮き彫りとなった。

 「サントリー天然水」本体(天然水)のコミュニケーションは、10代の取り込みを意識しつつ幅広い層に向けて実施していく。「引き続きサステナビリティと飲用価値の両軸でコミュニケーションしていく」と述べる。

佐藤匡ブランドマーケティング本部課長
佐藤匡ブランドマーケティング本部課長

 サステナビリティ訴求については、継続して「ウォーター・ポジティブ」という概念を前面に押し出していく。
 「ウォーター・ポジティブ」は、水の使用量を減らすだけではなく、取水量以上の水を水系に積極的に育んでいく考え方で、海外では注目されつつある。

 商品面では、若年層を中心に新しいユーザーがミネラルウォーター市場に流入し、様々な飲用用途が拡大していることから、ブランド接点を拡大すべくブランド初の冷凍商品「サントリー天然水 冷凍PET」を4月1日に新発売した。

 加えて、昨年5月にリニューアル発売して好調に推移している「サントリー天然水」1LPETの導入拡大を図る。1Lの主要販売チャネルであるコンビニの棚を維持しつつ、スーパー・量販店への提案を強化していく。

 ブランド全体では、「サントリー天然水」本体に磨きをかけながら展開品の領域を拡大することを方針に掲げる。

 「サントリー天然水」ブランドの2024年1-12月累計販売数量は前年同期比3%増の1億4210万ケースを記録して過去最高を更新し、7年連続で成長した。
成長の牽引役には「サントリー天然水」本体と展開品の「きりっと果実」を挙げる。

 昨年8月8日に発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)については「需要が急増した後に裏返しがあったものの、需要が急増した際に供給を切らさなかったことがブランドの成長にもつながった」と振り返る。

 今後は、有事や天災の備えとして、防災備蓄を引き続き呼びかけていく。

市場やブランドの懸念材料にはインフレ経済を挙げる。

 「あらゆるモノの価格がどんどん上がっていく中で、お客様がどういう行動に出るかを常にウォッチしている。節約志向が高まり、パッケージングされた水から浄水器や手いれの麦茶に流れてしまう恐れもある。NBとしてはPBや低価格商品との価格差が広がっており、成長しているとはいえ楽観視できず、引き続きブランドを磨いていく」との考えを明らかにする。

株式会社アピ 植物性素材