堀口珈琲は、家庭用コーヒー向けに、2024年3月に立ち上げた「カジュアルライン」を展開して、同社がこれまで手薄としていた若年層の新規獲得に取り組んでいる。
取材に応じた若林恭史社長は「“堀口珈琲の名前はよく耳にするため1回くらい飲んでみよう”という感覚で手に取ってもらうため、『カジュアルライン』では軽やかさを出したデザインを基調とした。質実剛健な印象を持たれがちな当社のコーヒーに対して、怖い・入りにくいというイメージを持たれないように意識した」と語る。
展開から半年が過ぎ、販売は堅調に推移している。
「リニューアル前と比較して売り上げが伸び、これまで取り込めていなかった需要を取り込めている。ドリップバッグを新たにラインアップに加えてシーン別に使い分ける提案ができるようになったのも大きい。品質にこだわっていることもかなり伝わっているようで、じわじわと伸びている」とみている。
同社はこれまでスペシャルティコーヒーの専門店として、本格的なコーヒーを手軽に楽しめる商品では、お湯に浸ける浸漬タイプのコーヒーバッグと季節限定のリキッドコーヒーの主に2ラインを展開していた。
3月、新たにドリップバッグをラインアップに加えるとともに、コーヒーバッグを刷新して手軽に楽しめる商品群を「カジュアルライン」と銘打った。
コーヒー豆の使用量などが限られるドリップバッグの形態は過去、同社が求めるおいしさの水準に達しなかったが、2019年に新設した焙煎所「横浜ロースタリー」での加工技術の高度化によってドリップバッグへの導入に漕ぎつけた。
ドリップバッグが加わったことで自社店舗での提案力が増したという。
「幅広い飲用シーンに自信を持って提案できるようになった。売る側が、自信を持ち気持ちよく売ることが、お客様の満足度を高めることにつながってくる」と述べる。
9月には「カジュアルライン」のギフトセットを発売し、これに伴って手提げ袋もリニューアルした。
ギフトセットは、1箱6袋入りとなる5種類の銘柄「ELEGANT」「MILD」「BITTERSWEET」「DECAF」「ASSORTMENT」から2種・3種選んで組み立てるものとなる。
外装はカジュアルなギフト需要に応えるために、気軽に贈ることができるライトな佇まいを目指しスリーブ形状を採用。側面から商品が見えると同時に、天面の穴からも商品ごとの色が識別できるようになっている。
スリーブの素材は、環境に配慮した古紙を配合したFSC認証紙を使用し「ギフトとして過剰包装になりすぎないことも意識した」。