マルハニチロ 広島工場火災で冷食の生産体制を再構築へ 下期業績に影響甚大

マルハニチロは、9月下旬に発生した広島工場の火災を受け、国内生産体制の再構築に乗り出している。7日にオンラインで開いた上期決算説明会の席上、坂本透常務執行役員は「広島工場の焼失は下期以降の業績に大きな影響を及ぼす見通しだが、このほど国内における冷凍食品の生産体制を戦略的に見直すプロジェクトを立ち上げた」などと述べた。

同工場は、食卓総菜向けの「五目シュウマイ」、お弁当向けの「牛カルビマヨネーズ」「肉巻きポテト」などの冷凍食品を製造していた。「当社の得意分野であり成長分野」(坂本常務執行役員)。業績への影響は避けられず、2023年3月期計画のうち加工食品ユニット(国内冷凍食品含む)の売上高は958億円(▲32億円)に下方修正した。なお、上期決算では広島工場の火災被害を特別損失22億円として計上。

坂本常務執行役員は「関係者の皆さまには多大なるご心配とご迷惑をお掛けした。まずは工場に勤務されていた方々の生活基盤を支えることを最優先に対応している」とした上で、「生産ラインはほぼ消失したが、ほかの工場で短期間のうちに代替できるものではない。下期以降は大きな影響が出てくる」とコメント。さらに、「非常に厳しい情勢だが、このほど新たなプロジェクトを立ち上げ、国内冷凍食品の生産体制を戦略的に見直すこととした。今次中期経営計画の期間中に間に合わせられれば」と説明した。

なお、製品倉庫は焼失しなかったため、現状は可能な範囲で商品供給に対応している。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)