ケンタッキー目指すは「お客様によりよい購買体験」 エブリデイブランド化・積極出店・デジタル推進に注力 判治孝之社長が語る

 日本ケンタッキー・フライド・チキンの21年度(3月期)実績はチェーン売上高1535億円、チェーン店舗数1172店舖で、23年度にチェーン売上高1700億円、チェーン店舗数1208店舗へと引き上げる中期経営計画を掲げる。

 そのための柱となる取り組みについて、11日取材に応じた判治孝之社長は、エブリデイブランド化と積極出店を挙げる。

 エブリデイブランドとは、クリスマスなど人が集まる特別なシーンだけでなく、日常的にも使われるブランドを意味する。
 エブリデイブランド化への目玉施策として、サンドの名称をバーガーに変更しバーガーの品揃えを拡充することで、日常使いと親和性のあるランチ需要を深耕していく方針が11日発表された。

 積極出店については“もっと近くに、より快適に”を掲げて推進している。

 「“買いたいけどお店がない”とよく言われ、これはエブリデイブランドの課題とも重なる。“もっと近くに、より快適に”の意味は、イートイン・テイクアウトともに、お客様によりよい購買体験をしていただくことに尽きる。そのことがリピートや相乗効果を促し、お客様により活用していただけるブランドへとつながる」との見方を示す。

 よりよい購買体験とは「メニューの拡充に加えて、お店が近くにあるとか、ストレスなく買い物でき、商品に裏切られることなく満足していただく」ことを思い描く。

 10月の値上げラッシュでさらなる消費の冷え込みが懸念される中、その対策としても、単に買いやすい価格を打ち出すことではなく、よりよい購買体験の創出にあると指摘する。

 「値ごろ感とは総合的なものであるので、安ければいいというものではない。食べられてどう思われるかまで含めての値ごろ感となる。期待どおりの商品をきちんといつも提供できているか、よい接客ができているか、並ばずに買い物できているか、そのような体験が値ごろ感や価値の一部を構成すると考えている」と語る。

 この中で“並ばずに買い物”にもつながる取り組みとして、判治社長が21年6月の現職就任以来、力を注いでいるのがデジタル戦略。

 「世の中的にデジタル化は5~7年のスパンで進んでいくものと思っていたが、コロナ禍で加速し、多少不具合があってもどんどん導入していく流れになった。お客様もそれが当たり前になったため、会社としてはそこへの投資を惜しんではいけない。同時に、社員のデジタルに関する知見も重要。リテラシーを高めデジタル施策やベンダーを見極めるため様々なプログラムを導入して社員に研修を促している」と説明する。

 なお、原材料や水道光熱費などコストアップ対策の1つとしては、オペレーションの効率化に取り組む。

 「地道な取り組みとなるが、より少ない人数で店舗運営するためのレイアウトを追求していく。歩数が増えるだけで、その分時間がかかる。タッチパネルでのオーダーも導入し始め、時間あたりにオーダーを入れられる人数をどうやって増やしていけるかといったコスト削減を継続して取り組んでいく」と述べる。

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