チルド麺 値上げ響き需要停滞 価値訴求が浮上のカギ

家庭用チルド麺市場は、22年春に実施した価格改定の影響などにより、内食化の追い風に沸いた過去2年に比べると需要が停滞している。とはいえ、コスト高の環境はますます厳しさを増しており、「改定後の売価は必ず浸透させなければならない」(上位メーカー)。一朝一夕に解決できる課題ではないが、マーケットが再浮上するには売場から「本格」「健康」「簡便」「環境」などの価値訴求を強化し、定着させていく必要がありそうだ。

業界推計によるチルド麺の市場規模は約2千200億円(21年度)とされる。長期的な縮小傾向で一時は2千億円台割れが危ぶまれたが、コロナ禍による劇的な環境変化(=内食率アップ)で20年度以降は息を吹き返した。全般的に数字が上向いたなか、とくに高価格帯ラーメンが伸長。外食の代替も多いとみられ、有名店とのコラボやまぜ麺・つけ麺など近年のトレンドを取り入れた商材が売れ筋となった。

ただし、22年春夏の需要は再び停滞気味。主な要因には「価格改定」と「外食への揺り戻し」が挙げられる。まずは店頭売価の上昇が特売回数や買い上げ点数を少なからず減少させたことは間違いない。また家計調査の1~6月支出金額をみると、外食の「中華そば」は前年比9.5%増(19年同期比18%減)、「日本そば・うどん」は同20%増(同15%減)と復調。コロナ前には程遠いものの、麺類の喫食機会が外食に戻った側面は多少なりともありそうだ。

市場を再度活性化させるには、「本格」「健康」「簡便」「環境」など時流にあった品揃えが不可欠となる。「本格」はチルド麺がもっとも得意とするところ。有名店コラボなどの勢いは落ち着きつつあるようだが、各社は重点カテゴリーとして引き続き注力する構え。「健康」はこれから最も伸びを期待したい分野。糖質オフ、食塩ゼロ・塩分カットなどが品揃えされているが、今秋は上位メーカーの新規参入もあり、売場で存在感を増しそうだ。「健康軸の商品群が市場の成長エンジンになっていく可能性がある」(関係者)。

「簡便」は、現状は春夏を中心に水やスープをかけてすぐ食べられるタイプが中心だが、22年秋は電子レンジ調理専用の焼そばが登場。今後の展開次第ではマーケットに変化が起こり得る。「環境」はSDGsを意識した施策を指す。主なキーワードは「賞味期限延長」「プラスチックトレー削減」「国産原料使用」で、直近は大手から中堅にも取り組みが広がってきた。できることから一つずつ、長期的な視点で推進することが重要になりそうだ。

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