競争激化する炭酸水市場 コカ・コーラは「泡の広がりが早い」で差別化 「アイシー・スパーク」刷新し“速攻!強炭酸水”アピール

 コカ・コーラシステムは、競争が激化する炭酸水市場で差別化を図るべく、炭酸水ブランド「アイシー・スパーク from カナダドライ」(以下、アイシー・スパーク)のパッケージとコミュニケーションを刷新して4月11日からマーケティング活動を本格化させている。

 刷新のポイントについて、日本コカ・コーラの朴英俊マーケティング本部ウォーター事業部部長は「PBなど、多くの商品が強炭酸を訴求している中、従来とは少し異なる角度から選ぶ基準をお伝えすべきだと考えた。そこで『アイシー・スパーク』の特徴を分析してみると、炭酸の泡の広がりが早いということが判明した」と説明する。

 強炭酸と“泡の広がりが早い”点を選ぶ基準にしてもらうべく、“速攻!強炭酸水”を新コンセプトに掲げてラベルデザインを刷新し、俳優の磯村勇斗さんを起用した新コミュニケーションを展開している。

 ラベルは「アイシー・スパーク」本体と(プレーン)「同レモン」に“速攻!強炭酸水”のコンセプトを記載したほか、力強い泡とそれを際立たせるブルーの背景色のデザインを採用した。

 

磯村勇斗さん起用した新TVCM「アイシー・スパーク 速攻!強炭酸水」篇 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
磯村勇斗さん起用した新TVCM「アイシー・スパーク 速攻!強炭酸水」篇

 新TVCMでは、磯村勇斗さんが飲用後に「炭酸はやっ!」とコメントし炭酸水の刺激を表現している。

 その狙いについては「磯村さんは速攻強炭酸水のイメージにピッタリだと考えている。炭酸水は比較的、家庭内で飲まれる機会が多いため、飲用層は上の年代が多く、もう少し若年層へのアピールを強めていきたい考えもある」と述べる。

 炭酸水市場については、過去の2ケタ成長から伸びが鈍化しつつあると分析。そうした中、昨年は1L前後の中容量サイズとフレーバータイプが大きく伸長したとみている。

 中容量サイズの拡大要因には、家庭内消費が定着化を挙げる。

「アイシー・スパーク from カナダドライ」(1500mlPET) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「アイシー・スパーク from カナダドライ」(1500mlPET)

 「コロナ禍の外出自粛で家庭内のアルコール需要が高まり、その割材として中容量や大容量で高い伸びをみせている。家庭内需要はこの先も伸びていくと思われることから、しっかりやっていかないといけない」と語る。

 昨年から高まる直接飲用のアルコール代替ニーズにも着目する。

 「直飲みのアルコール代替ニーズは確実にあるので拡大していきたいと思っているが、最後発のブランドということもあり、まずは『アイシー・スパーク』という炭酸水がコカ・コーラから出ているというポジションを確立することに注力していく」。

 炭酸水と有糖炭酸飲料の間についても「当社には様々なブランドポートフォリオがあり、各ブランドの役割を整理しながらチャレンジしていくことは必要だと考えている」。
フレーバーは、レモンを中核に広がりをみせつつある。

 販売数量の構成比では、「レモン」のボリュームが「アイシー・スパーク」を若干上回って推移している。
 「特に自販機の即時消費のチャネルでは『レモン』のほうが高かった。直飲み需要では、飲みやすさの観点でフレーバー付きが選ばれる傾向にある」という。

強炭酸と“泡の広がりが早い”点を訴求 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
強炭酸と“泡の広がりが早い”点を訴求

 容量は小容量(430ml・490ml・500ml)に注力していく。1.5LPETでは家庭内の割材需要に対応する。「1L商品が多い中で、少し多めの1.5Lは割材需要にちょうどいい容量だと考えており、継続していく」考えだ。
 なお、発売初年度となった昨年の販売実績については「昨年5月に発売開始し、目標をしっかり達成することができた」と振り返る

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