ハーゲンダッツ 過去最高売上更新 続いた大幅減収、拡大する「ご褒美」シーンが歯止め

ハーゲンダッツ ジャパンはこのほど、前期実績と来年度の事業計画を発表。売上高は528億円、前年比10%増と過去最高売上を更新した。

18~19年の大幅減収に歯止めをかけられたのは、コロナ禍の家中需要に加え、昨年から始めたご褒美の幅を広げる新たなコミュニケーション「ハローしあわせ。」が順調に機能したため。ミニカップは前年比12%増。期間限定の新製品や、「Decorations」「クリーミージェラート」「華もち」シリーズなど注力商品を設定した販売戦略も奏功。基幹8品も5%増と力強い伸長を見せており、アソートボックスやクリスピーサンドも順調に推移した。

今年度商品戦略の柱は次の3点。

①顧客基盤強化=幅広いご褒美シーンに寄り添った幸せを訴求。ブランドの「顔」であるバニラについて「香り」を軸にしたプロモーションや、バニラの価値を存分に感じられる限定商品を販売
②新規ユーザー拡大=「超ワクワク体験とユニーク」をテーマに、年間に新たな3シリーズの販売を計画。クラシック洋菓子(3月春発売)など新製品の投入で更なる話題創出を狙う。クリスピーサンドは「サクッとごきげん。」をテーマにミニカップとは異なる需要を創造
③多様化する「褒美シーン」へのアプローチ開発=気分が落ち込んだ時や頑張る前などあらゆるご褒美シーンへのアプローチを進めることでブランドの出現シーンを増やし存在感を高める。

新しい生活様式が浸透しつつある今後も、年間を通じた各種コミュニケーションを強化するなどしてさらなる成長を目指す。今年度目標は売上高536億円、前年比2%増。

平井弓子社長の話 昨年からご褒美の幅を広げることを展開していたが、今後はより広い場面でブランドの出現シーンを増やしていきたい。これまでのハーゲンダッツはどちらかというと、夜に一人でゆったり楽しむシーンを想起されることが多かった。今後は気分が落ち込んだ時や頑張った後だけでなく、頑張る前、頑張る途中にもご褒美として商品を楽しんでほしい。

また自分を満たすだけでなく周りと一緒に楽しめるように、今後もさまざまな出現シーンを提案する。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)