8月・9月の長雨と低温が痛手となった清涼飲料業界 その中でサントリーが市場の伸びを上回りシェアを伸ばした理由

 今年の清涼飲料市場は、8月のお盆明けから記録的な長雨と低温の天候不順が9月まで続いたことで厳しい一年となった。

 一大消費地の関東エリアでは、8月11日から26日にかけて異常な長雨が続き、西日本も最高気温が22℃と真夏とは思えない状況となった。

 9月も全国的に記録的な低温と長雨に見舞われ、21年清涼飲料市場は9%減となった20年と比べてほぼ横ばいか微増での着地が見込まれている。

 こうした中、サントリー食品インターナショナルは、1-11月累計販売実績で市場の伸びを上回る前年同期比2%増を記録し、シェアを伸長させたという。

サントリー食品インターナショナルの木村穣介取締役専務執行役員(22年1月1日付・取締役副社長)
サントリー食品インターナショナルの木村穣介取締役専務執行役員(22年1月1日付・取締役副社長)

 シェアアップが図れた理由について、23日取材に応じた木村穣介取締役専務執行役員(22年1月1日付・取締役副社長)は変化への迅速対応にあるとし、その一例として家庭内のパーソナルサイズニーズの高まりに即応したことを挙げる。

 「家庭内でのパーソナル容器サイズのニーズは過去からあり、単身世帯や共働き世帯の増加に伴い大容量から徐々にシフトしている。それがコロナ禍になって多くの方が一時期、家庭に籠ったことで、その傾向が目立ったに過ぎない。当社はこれにアジャイルに対応し、大容量の割合が比較的高いスーパー・量販店さまの販促の仕掛けもパーソナルサイズでしっかり準備していった」と振り返る。

 ブランドと商品では「サントリー天然水」「伊右衛門」「ボス」のコアブランドに加えて、「クラフトボス 抹茶ラテ」「伊右衛門 京都ブレンド」などの新商品が貢献した。

ボトル肩部が尖ったボトル形状を採用した「THE STRONG 天然水スパークリング」
ボトル肩部が尖ったボトル形状を採用した「THE STRONG 天然水スパークリング」

 「サントリー天然水」では、「サントリー天然水」(プレーン)の伸長に加えて、新商品の「THE STRONG 天然水スパークリング」が同社の炭酸水の展開に風穴を開けた。

 「炭酸水は元来アーティフィシャル(人工的)な要素が強く、ナチュラルのイメージが強い『サントリー天然水』との間には“ブリッジ”が架からない状態であったが、『THE STRONG 天然水スパークリング』でボトル肩部が尖ったボトル形状を採用して、自然な感じを出しつつも強炭酸をお客様にしっかり伝えることができた」と胸を張る。

「ボコボコボトル」を採用して“見た目からおいしい”を追求した「クラフトボス」ブランド
「ボコボコボトル」を採用して“見た目からおいしい”を追求した「クラフトボス」ブランド

 

 「ボス」については、「クラフトボス」コーヒーシリーズの大刷新を成果に挙げる。

 

 同シリーズは今春、「ALL is Reborn(すべて生まれ変わる)」をテーマに掲げ、コーヒー3品の中味と容器を大刷新。容器に「ボコボコボトル」を採用して“見た目からおいしい”を追求した点が「お客様に好評価をいただいた」。

 10月にリニューアル発売した「伊右衛門 特茶」ではコミュニケーションで磨きをかけることができた点を評価。

 「『「伊右衛門 特茶」』に配合されているケルセチン配糖体にフォーカスして、わかりやすく“ケルセチンゴールド”の愛称をつけてコミュニケーションを展開すると、お客様に再認識され、コミュニケーション実施以降は数字を伸ばすことができたている」と述べる。

 今年最も高い伸びをみせたブランドは「ペプシ」で、「ペプシ〈生〉」の好調が継続したことによって1-11月販売数量は19%増を記録した。

10月にリニューアル発売した「伊右衛門 特茶」
10月にリニューアル発売した「伊右衛門 特茶」
売場に並ぶ「ペプシ〈生〉」
売場に並ぶ「ペプシ〈生〉」