コロナ禍でも健闘の百貨店歳暮 都内は出足まずまず EC伸長で店頭減をカバー

今年の東京地区歳暮商戦も徐々に本格化している。コロナ禍2年目の中で先が読みにくい商戦だが、出足は悪くない。

数字が示されるものは少ないが、松屋銀座では洋菓子・ビールといった定番品が好調。高価格帯も引き続き動きがみられる。東武百貨店池袋本店では10月の出足は好調。11月に入ってやや落ち着きを見せた。店頭は前年割れだがECがカバー、前年並みの着地を目指す。コロナ禍で流入した新規客が引き続き利用している様子も見られる。一部を除けば、東京地区百貨店は似たような動きという。

東京地区の百貨店は新型コロナウイルス感染症の拡大状況によって売上は上下を繰り返してきた。大きく拡大した8月は入館者数・売上高ともに前年を下回り、19年比では入館者はほぼ半減。売上高も35.5%減少していた(日本百貨店協会調べ)。

9月に入り状況はやや好転したと感じる関係者が増えた。入館者数は2か月連続で減少したが(前年比)、売上高は催事などが奏功して0.7%増。19年比では入館者数42%減、売上高34.6%減だが、これは19年9月に発生した消費増税前駆け込み需要の反動だ。

9月の売上増は、ジュエリーや化粧品のほか、食料品が支えている。感染者が多かったときは「気分が上がらず、消費に金が回らなかったのだろう」(百貨店バイヤー)とされるが、巣ごもりの中、食品などでプチ贅沢を楽しむ機運もあったといい、この流れが歳暮商戦にも続くとみる関係者は多く、期待がかかる。

10月の数字はまだ出ていないが、東京地区の緊急事態宣言が明けたことで状況が好転している店舗もあり、松屋銀座の10月店頭売上は増加。高単価の商品も動きが戻りつつあるという。東武百貨店池袋本店でも入館者は増えている。

コロナ禍で百貨店が厳しい状況の中でも、昨年来、ギフトは予想を覆して健闘。昨冬歳暮は前年比9割台~100%、今夏中元では100%前後だった。店頭売上は下がったものの、ECが大きく伸長してカバー。中元でもEC注力姿勢を鮮明にした松屋銀座の210%をはじめ、多くの百貨店がECの数字を伸ばした。

ある百貨店の担当者は「コロナが収束しても、ECの数字は大きく下がらないだろう」とみており、「ギフトの楽しさを全国に伝え、また若年顧客獲得のためにも、ECは不可欠」として注力姿勢を強める考えだ。