「食での差別化」推進 ビジネスモデル再構築へ変化対応加速 セブン&アイHD中計

セブン&アイ・ホールディングスは1日、2025年度を計画年次とする中期経営計画を発表した。2021年度から25年度の計画期間を「成長と深化の5年間」と位置付け、「変化対応」によるビジネスモデルの再構築を加速することで、ROE向上、キャッシュフロー創出力の拡大を通じた企業価値向上を目指す。

25年度の数値目標は、EBITDA1兆円以上、営業キャッシュフロー8千億円以上、フリーキャッシュフロー4千億円以上、ROE10%以上、EPS成長率15%以上など。

主力となる国内コンビニエンスストア事業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、小商圏化と多様化が進んでいることを受け、「多様化するニーズ」に対応し、「すべての地域社会に利便性を提供する」ことを念頭にDXを推進しながら、バリューチェーン全体での持続的成長を目指す考え。

具体的には、小商圏化に合わせた売場レイアウトヘの変更、ネットコンビニの拡大を進める。コロナ禍の中、消費者の購買行動が「特定店舗で」「一度に高額利用」など「使われ方が変化している」(井阪隆一社長)との認識。実際、20年度の既存店売上高は、事業所立地が前年比88.9%、行楽立地97.1%に対し、住宅・郊外立地は100.3%と明暗を分けた。こうした変化を踏まえ、21年度末までに1万2千店に新たなレイアウトを導入するとともに、都心店店舗に対応したレイアウトについても、年度末までに1千500店で個店対応を実施する。

ネットコンビニについては、今年2月末時点で約350店だが、年度末までに1千店でのテストを目指し収益モデルを確立。25年度中には全店での展開を完了させる予定。

国内でのグループ売上げの約6割を占める食品事業については、多様な業態に基づく「食での差別化」を図り、事業再編の上、グループ共通インフラの構築、さらなるシナジー創出を目指す。生鮮食品の供給や共同調達機能の拡大に伴い、中核であるコンビニ事業に対するさらなる事業価値向上への寄与も視野に入れる。

「食での差別化」のポイントとなるPB「セブンプレミアム」については、20年度売上高が1兆4千600億円に到達。セブン-イレブンの食品売上げの約25%を占めるまでに成長したことから、さらなる強化を図る。

また、グループ共通インフラとなる運営子会社を設立し、セントラルキッチン、プロセスセンター各2か所を25年度までに稼働。セブン―イレブンを含め、高品質で効率的な商品供給体制を目指す。

海外コンビニ事業については、グループの成長ドライバーと位置付ける北米事業について、食品中心の成長を目指し、Speedway案件のPMIを優先しながら、店舗密度強化に伴うさらなるサプライチェーン強化を図る。日米が協力し合える運営体制を構築することで、それぞれのノウハウを生かしながら、既存国(16か国)との連携強化、新地域への戦略的JVやM&Aも選択肢とした出店促進によりグローバル展開を加速。25年度には世界店舗数5万店(日本と北米除く)が目標。

新中計の策定を受け事業を再編する。海外コンビニ事業にはSpeedway関連の子会社を追加し、これまで国内コンビニ事業にあったハワイ、中国事業を海外コンビニ事業に移管する。また、百貨店事業と専門店事業は大型商業拠点戦略との関係性を踏まえ、百貨店・専門店事業に統合する。