味の素冷凍食品 川崎にR&D部門を集約 健康栄養価値にも挑戦へ

味の素冷凍食品(FFA)は10月1日に研究・開発センター、生産本部生産技術開発部、生産本部品質管理部の事務所を、味の素川崎事業所(神奈川県川崎市)内の「フローズンフードテック&デザインステーション」へ移転し、営業を開始し、味の素、味の素AGFらと合わせたグループ3社でのシナジー創出を目指す。

このステーションでは、時間の創出、フードロスの削減、人手不足への対応などといった冷食の基本価値に加えて、同社グループらしい3点に注力するという。

第一は、グループの食品技術を最大限に活用し、圧倒的ナンバー1の美味しさを追求すること。第二には、健康栄養価値の向上、更なる付加価値の向上を挙げ、今後はアミノ酸技術を活用して、「今までの冷食と違うところにチャレンジしたい」(黒崎正吉社長)と意気込む。

第三は「より人の気持ちに寄り添う冷食」、つまり調理する楽しさや家族のつながりを作りあげることを目指すといい、「well-beingにチャレンジしたい」(同)と語る。

また、FFA内での連携強化も図る。これまでR&D部門は複数の拠点に分かれていたが、このステーションに同居することで物理的距離を縮め、レシピ開発や設備開発を一本化し、さらなるスピードアップが見込めるとする。さらに東京の本社との距離も縮まることも利点だ。

名称には、テクノロジーで最先端を走り、また「生活を常にイメージし貢献していく」をデザインしたい、といった思いが込められている。

これまでは「センター」という呼称を用いたが、今回は「ステーション」の語を使った。世界中の冷食技術者が参集し、学び研鑽して世界に展開するという意味を込めたからだ。

今回は約60億円を投じて北棟と西棟を増築。1階は設備実験エリア、2階は包装実験室、3階は官能評価室、実験室、コミュニケーションスペースといったグループ共通のエリア、4階はFFAのオフィスが入った。

移転後の新商品は一年以内をめどに発売したい意向。健康と栄養機能にチャレンジして、グループ全体で食と健康の課題解決企業を目指す考えで、「FFAはその中核企業としての役割を果たす」(下保寛マーケティング本部長兼国内統括事業部長)と話す。

最終的な拠点の集約は来年4月の予定だが、坂本次郎味の素食品研究所長は、「FFAの研究開発部門が移転し、大きな一歩を踏み出したことは意義深い」と語っている。