野菜の消費支出大幅増で青汁が急伸 ニーズつかみドリンク青汁に集中投資 伊藤園

伊藤園は、成長市場の青汁(粉末・飲料)がコロナ禍の影響で急伸していることに着目して、野菜飲料の中ではドリンク青汁に集中して積極的なマーケティング活動を展開していく。5日発表した志田光正マーケティング本部本部長は、コロナ禍の環境について「生鮮野菜の消費支出では緑黄色野菜がぐっと求められてきている。この中でわれわれの青汁事業も急速に伸びてきており、お客さまに求められている青汁に取り組むことが今期の大きな柱になる」と意欲をのぞかせる。

伊藤園の調べによると、青汁市場は14年から右肩上がりで19年に1千50億円へと拡大。形状では粉末、販売チャネルでは通販が大勢を占める中、平井邦佳マーケティング本部野菜・果汁ブランドグループ販促チーフは、今後の成長のカギはドリンク青汁(青汁飲料)・店頭販売・無糖――の3つにあると説明する。

ドリンク青汁については、粉末と飲料を合わせた青汁総容量で飲料商品が占める割合(飲料化比率)が9・8%と低いことから成長余地が十分にあると判断。「飲料化比率を20%にするとドリンク青汁市場は300億円まで拡大することが予想される」という。

伊藤園ではドリンク青汁市場を牽引して3年後に市場規模300億円を目指すとともに、シェアを現状の4割から5割に引き上げる。

平井邦佳氏㊧と山口将弘氏(伊藤園)
平井邦佳氏㊧と山口将弘氏(伊藤園)

「1社だけは盛り上がらず、競合にも参入してもらいながら全体的に盛り上げていきたい」(山口将弘マーケティング本部野菜・果汁ブランドグループ商品担当)考えだ。

市場活性化にはドリンク青汁の低い認知が課題となっている。この課題解決に向け、ドリンク青汁の最需要期である夏場と、店頭の棚替え時期となる10月にそれぞれヤマ場を設けてマーケティング活動を展開していく。

第1弾では、8月17日に俳優の高橋光臣さんを起用したTVCMの放映を開始。野菜飲料では6年ぶり、青汁飲料では初となるTVCMで、10月12日のドリンク青汁一斉リニューアル発売時期に合わせて第2弾も放映する。

一斉リニューアルでは、ペットボトル(PET)商品と紙パック商品を横断して「ごくごく飲める 毎日1杯の青汁」のブランドロゴを統一する。

高橋光臣さんを起用したTVCM(ごくごく飲める 毎日1杯の青汁)
高橋光臣さんを起用したTVCM(ごくごく飲める 毎日1杯の青汁)

この中でPETは「原料のバランスを見直して、さらにすっきり飲みやすく仕上げ、お客さまから大容量のご要望をいただき900㎖PETを新たにラインアップする」。

900㎖PET追加には、野菜飲料市場の動向も背景にある。「コロナ禍の巣ごもり消費で「家族の健康を維持したい』との思いから、PET・紙ともに大型が市場を上回る伸びを見せている」と述べる。紙パックもリニューアルによってすっきり飲みやすい味わいを強化する。

10月12日の一斉リニューアル発売時期に合わせて、第2弾TVCMを放映するほか、スマホでレシートを撮影しポイントを貯めて応募する「絶対もらえる!選べる電子マネー・ポイントキャンペーン」を開始し、トライアル促進を図っていく。

店頭活動は、10月26日の「青汁の日」に向けて、ドリンク青汁の認知を一気に高めていく活動を予定している。

飲料・粉末を含めた「ごくごく飲める 毎日1杯の青汁」全般の特徴は、青汁一般の不満点である“粉っぽさ”を解決する超微粉砕粉末や、大麦若葉汁、ナチュラルグリーン製法にある。

繊維が堅い大麦若葉は搾汁に不向きだが、生葉(なまは)をあえて搾汁して加えることで青汁独特の後臭みを少なくし鮮度感のあるすっきりした味わいを実現している。

液色はナチュラルグリーン製法できれいな緑を保持。「緑色というのは光や熱に非常に弱く、すぐに茶色になってしまう。一般的には着色料で緑色を保持するが、われわれは原料と製法にこだわり原料由来のきれいな緑色を保持している」と胸をはる。

伊藤園では、主原料である大麦若葉で農業経営の効率化にも貢献。16年に、九州の新産地事業地区でお茶農家の農閑期を活用して大麦若葉の契約栽培を開始。作付面積は年々拡大し、19年度は前年比24%増の128haに達した。