紅茶飲料 微糖の柑橘系に脚光 外出自粛でカロリー制限ニーズ高まる

紅茶飲料市場は昨年、各社の積極的なマーケティング活動で過去最高の生産量を記録。今年はコロナ禍によって1―6月はほぼ前年並みで足踏みしている中、柑橘系・無糖・ミルクティーの局所で好調な動きがみられる。

柑橘系で好調なのが「午後の紅茶 ザ・マイスターズ オレンジティー」(キリンビバレッジ)、「クラフトボス レモンティー」(サントリー食品インターナショナル)、「TEAs’TEA NEWAUTHENTIC 生オレンジティー」(伊藤園)の3品。

3品共通しているのが微糖の設計で、キリンビバレッジでは「コロナ禍で健康への関心は今後も当面継続し、運動機会の減少や在宅勤務でカロリーを控えたいニーズも継続する」とみている。

同社の「ザ・マイスターズ オレンジティー」は糖離れの進む30~50代の女性に購入され、競合のミルクティーやフルーツティーの購買層とは異なる客層を獲得しているという。今後は「甘さ控えめの味わいは甘いスイーツと好相性とのお声をいただいている。引き続きSNSを中心にスイーツとの相性やアレンジティーなどイエナカでも楽しめる提案をしていく」考えだ。

既存レモンティーの“甘さが目立つ”といった不満点に着目して開発された「クラフトボス レモンティー」も好調。「みずみずしい香りと酸味、すっきりした甘さの“透きとおるレモンティー”という中味と鮮やかな液色の色合いが独自の価値として大変ご好評をいただき、コンビニさま・スーパーさまとも好調に推移している」(サントリー)と説明する。

伊藤園の「生オレンジティー」は、コロナ禍の外出自粛で紅茶(リーフ)の消費が拡大したことに伴い、リーフのような自然なおいしさを追求した中味設計が奏功し、5月から上昇基調にあるという。

「生オレンジティー」は、オレンジ果汁をブレンドしただけではなく、紅茶と一緒に生のオレンジスライスを抽出した点で目新しいものとなっている。

同社では「各社がフルーツティー飲料市場に参入したことで盛り上がり、チャンスをつかみつつある」とみており、勢いを加速させるべく、生のオレンジ(果実)を従来品に比べ1.5倍増量してオレンジの香りと心地よい甘さをより引き立たせて8月3日にリニューアル発売した。

フルーツ入りやフルーツフレーバーをコンセプトにした商品では「日東紅茶 フルーティーリッチ」シリーズ(三井農林)も有望株。同商品は、原料茶葉の調達から抽出・充填・製品化までの一貫製造と独自抽出を強みに、抽出時に通常飛散してしまう香りも維持。味覚評価が高く配荷を拡大している模様だ。

無糖では、キリンの「午後の紅茶 おいしい無糖」が上昇基調にある。1―5月で前年を維持し、6月16日からECチャネルで大型PETの9本入りの販売を開始したことでブランドの成長に貢献し勢いづいている。

無糖の紅茶飲料。(左から)「午後の紅茶 おいしい無糖」「シンビーノ ジャワティストレート」「知覧にっぽん紅茶 無糖」
無糖の紅茶飲料。(左から)「午後の紅茶 おいしい無糖」「シンビーノ ジャワティストレート」「知覧にっぽん紅茶 無糖」

無糖紅茶飲料のパイオニアである大塚食品の「シンビーノ ジャワティストレート」もコロナ禍による飲食の家庭内消費増加で脚光を浴びつつある。

「ジャワティ」は無糖、無香料・無着色、インドネシア・ジャワ島産茶葉100%使用、透き通る鮮やかな琥珀色――を特徴とした無糖紅茶飲料で、家庭内消費の高まりで引き合いが強まっているのが1本(500㎖)当たり300mg含まれるポリフェノール量となる。

「茶葉と抽出の組み合わせの妙で生み出される特殊なポリフェノールで、摂取量は1本でワイン1杯分に相当する。特に脂っこい食事に好適で、濃い味わいであることや、テーブルドリンクとして訴求し続けてきたことには理由があることを伝えていく」(大塚食品)。

現在、家庭内需要の喚起を目的に、スーパー、量販店での配荷を強化。「既に採用企業は増えつつあるが、秋冬の棚割に向けて準備を進めている」という。

ポッカサッポロフード&ビバレッジも無糖紅茶を強化の構え。同社の「知覧にっぽん紅茶 無糖」は、知覧にっぽん紅茶に一番茶を加えた商品で、茶葉は鹿児島県知覧産紅茶100%使用しまるごと微粉砕した知覧紅茶を加え、豊かなコクと飲んだ後に甘い香りの余韻が広がり、無糖なのにほのかな甘みが感じられるのが特徴。

「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」(コカ・コーラシステム)
「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」(コカ・コーラシステム)

「国産茶の中でも国産の紅茶は特に希有な存在。無糖なのに甘いと驚きをもたれている。秋冬には全国的に配荷拡大すべく取り組んでいきたい」(ポッカサッポロ)との見方を示す。

健康志向の高まりの後押しもあり微糖(柑橘系)と無糖で好調な動きが見られる中、王道のミルクティーで異彩を放つのがコカ・コーラシステムの「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」。

同商品は昨年、ミルクティーを好む10代・20代をメーンターゲットに新容器を採用したほか、中味はミルク負けしないように茶葉を増量して刷新したところ好調に推移。「4月以降も引き続き7月直近まで前年比二ケタ増と好調となっている」(日本コカ・コーラ)という。