特需の背景とウィズコロナ時代の商品施策 コープCSネット 熊谷義夫氏

新型コロナウイルスの感染拡大により小売業界はこの数か月間、業態による明暗が大きく分かれた。外出自粛とそれに伴う在宅時間の長期化により、供給高が大きく伸長したのが宅配事業を主軸とする生協である。最近の商品動向、さらに今後の“ウイズコロナ”時代を見据えた商品開発や供給方法について、中国・四国地方9生協の事業連合であるコープCSネット、商品事業本部・商品開発課の熊谷義夫統括課長に聞いた。

食品各分野で2割増

――前期2019年度(20年3月期)の概況を教えてください。

熊谷 中国・四国会員9生協の受注高は前年比100・1%の905億円。このうち食品が同99・9%の684・8億円、家庭用品が同100・8%の220・7億円。消費増税の影響で家庭用品が落ち込み、食品も酒類など一部で仮需が見られたものの、増税後の買い控えの反動が大きかった。

――その後、新型コロナウイルス感染が拡大し、需要にどのような変化が見られましたか。

熊谷 2月に入り新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国・四国地方ではトイレットペーパーやマスク・衛生用品の商品受注が増え始め、3月に休校となってからは子どもたちが食べるお菓子、カップラーメンやレトルト食品、乾燥パスタ関係が伸長した。

冷食では米飯類やパスタ、生協の人気商品である徳用のたこ焼などが動いた。在宅時間が長引くことで製菓材料やホットケーキミックスなど粉商品の需要も強まり、受注金額は前年比120%、週によっては140%を超えることもあった。

4月以降は物流センターのキャパオーバーや商品の在庫不足のため、欠品や抽選対応で商品をお届けせざるを得ない状況も発生した。衛生用品やドライ食品、冷食から始まった特需だったが、最終的には生鮮3品を含むほぼすべての食品へと広がり、どのカテゴリーも平均すると120%前後で伸長した。6月に入ってやや落ち着きを見せているものの、その状況が現在も継続している。

――これだけ伸長した要因をどうとらえていますか。

熊谷 まず、これを機に生協へ加入しようという新規組合員が前年比で約105%伸長したことが挙げられる。外出を自粛しスーパーへの買い物も家族で1人だけなどと制限が呼びかけられていた時期に、家庭まで届けてくれる生協を利用してみようと思われる方が加入された。

また、それ以上に大きかったのはこれまで月に1、2回しか注文されていなかった組合員の方々が、毎週利用されるようになったこと。それまではスーパーでも買い物していたが、やはり外出を控える中で生協の宅配を利用する回数が増えたと思われる。新規加入組合員だけでなく、既存組合員の利用点数と利用高が伸長して全体を押し上げたと言える。(7/22付本紙7面「中国版」に続く)。