黒糖が“タピる”で売れる? ネット仕入れ増え活況 一方の白糖は…

白糖消費は3年で工場1つ分消滅

空前のタピオカブームで黒糖の引き合いが強まっている。もちろん含蜜糖市場(色付き砂糖・約3万6千t)全体から見ればわずかな量だが、これまで黒糖消費は直消、かりんとう、羊羹、飴、製パンなどに偏っていたため飲料向け拡大も期待する。また、「ネットで黒糖原料を外国人が仕入れている」との指摘もあり、新規事業の糖原料をネットで買い付けるという異例の事態に驚く面も。一方、白糖は今年も減少が続き、これで3期連続、約10万tの消費減。「1つの製糖工場の年間溶糖量に匹敵」とかなりの危険水域で不安も不満も高まる令和元年となっている。

タピオカ向けの出荷について製糖大手の日新製糖は「粉末もしくは黒蜜が売れている。特に黒蜜の人気が高い。1つの販売先としては異例の販売量と言えると思う」と話す。これは既存得意先の話で、相手も販売商品も分かっているケース。

大阪の老舗含蜜糖メーカー・上野砂糖は「ネットに出品(黒糖商品)すると翌日に注文がくる」とこれまで重視していなかったネット通販だが好感触を得ており、しかも大量注文で自家消費とは考えにくい。また、含蜜糖の最大手である大東製糖も自社HPでネット販売しているが、タピオカブームが始まると、突如として大量注文が飛び込んでくるようになった。それまで開店休業状態だったこともあり比較は難しいが、3倍には増えているようだ。これら購入者の履歴を見ると外国人が多く「日本で黒糖を使った新規商売をする外国人」という推理だが、おそらくタピオカ向けは大きく外れてはいないとみられる。

白糖や黒糖、氷糖などは特定の砂糖卸や食系卸を通じて小売店、外食店まで流れるが、外国人はそんなことは知らない。ところがネットを覗くと「売っているじゃないか」と業務用単位の発注が舞い込んできたという推測だ。

それぞれ出荷量はそれほど多くはないが、「黒糖は高齢者が好むというイメージを持たれていたが、若い女性にも受け入れられることが証明された」(上野砂糖)と今後の広がりに期待する。また、黒糖でも“沖縄黒糖”は今年度も含めて4期連続の豊作で推移している。一時の供給不安(台風、干ばつ)を乗り越えて、ようやく“使い頃”になっている。タピオカ店でも「沖縄黒糖使用」とする店舗もあり需要拡大に貢献する姿もある。

その他の砂糖類では、白糖は3期連続の減少。氷砂糖は今2月のテレビ番組で「いちご酢」が紹介され、中日本氷糖も2月単月の販売量が昨年の260tが、今年は500t超と2倍に拡大した。本商戦は前年減だが平年並みは維持している。

問題は白糖だ。白糖には国産糖(北海道、鹿児島、沖縄)の保護財源(約500億円)が乗せられて販売されている。その負担が他の甘味原料にはない。結局、白糖は価格競争力が弱まり、砂糖バッシングも強まる中、平成で砂糖消費は約28%減少した。令和に入っても消費量が減るたびに調整率(販売量に占める保護財源率)は高まり不満も高まる。このまま消費減が続くと業界再編の事態も待っている。一喜一憂の令和元年が終わろうとしている。