他の植物性飲料に流出して苦戦が続く甘酒市場 起死回生へトップの森永製菓が繰り出す今後の重点施策とは?

 甘酒市場が苦戦している。
 インテージ社SRI+によると甘酒の21年販売金額は前年比23.3%減となった。

 苦戦要因としては、植物性飲料への流出の可能性が挙げられる。
 トップブランドの「森永甘酒」を展開する森永製菓は「ブーム以降、苦戦が続いている甘酒市場だが、その一因として、消費者の健康ニーズが多様化しブーム時に流入したユーザーが甘酒以外のアーモンドミルクやオーツ麦ミルクなどの健康飲料へ流出しているとみている」と述べる。

 「森永甘酒」も前期(3月期)、市場の落ち込みに比べ若干踏みとどまったものの苦戦。
 今期(3月期)は起死回生を図るべく、お笑いトリオ・森三中を起用し「森永甘酒」の特徴である酒粕・米麹のW発酵素材のメリットを消費者へ継続的に訴求。これにより「毎日の元気応援飲料として甘酒の継続飲用を促進している」。

 今後の重点施策については「甘酒の健康要素を少しでもお客様に伝えていけるような商品とプロモーションを展開していく。また、甘酒の継続飲用化を目指して今期は新たに鍋と甘酒の訴求を強化していく」。

 市場活性化のカギとしては、健康志向の高まりにあるとみている。
 「ウィズコロナの生活は継続していくことから、消費者の健康志向は益々高まっていくと想定している。消費者健康志向の高まりを受け、商品とプロモーションにおいて甘酒という素材の健康訴求が増えてくる」との見方を示す。