企業の垣根超えてコーヒー&ティーが楽しめるマシン 家庭用で急伸 現在の19ブランドから「半年に2ブランドずつ増やしていく」

 カプセル式コーヒー&ティーマシン「KEURIG(キューリグ)」の専用カプセルが家庭用市場で急伸している。

 家庭用市場に向けて多彩なマシンが存在する中で、「キューリグ」の一番の特徴は、企業の垣根を超えた専用カプセルでのマルチブランド・マルチドリンクの展開にある。

 ブランド刷新とマーケティング投資を行い、この特徴が広く知られるようになった20年頃から飛ぶように売れ始めたという。

 取材に応じたカップスの西本圭吾社長は「家庭用市場で専用カプセルの21年販売実績は19年対比で5倍に拡大した」と語る。

 専用カプセルは22年4月現在で、19ブランド32カプセルをラインアップ。「原動力はブランドにある。半年で2ブランドずつくらいは増やしていきたい」考えだ。

 ブランドの選定にあたっては、おいしさを追求している姿勢に加えて、楽しさや魅力的であることを重視する。

 現時点で上限を定めていないが、将来に向けては生産効率との兼ね合いでブランドの差し替えや期間限定の展開を視野に入れる。

「すばな珈琲」(鳥取県)の味を忠実に再現したコーヒーカプセル
「すばな珈琲」(鳥取県)の味を忠実に再現したコーヒーカプセル

 課題は、競合マシンに大きく水を開けられている認知度で「現在6%しかない認知度を今年10%に高めていく。認知した方が“欲しい”と思ってもらえる比率は競合よりも高いことから『キューリグ』を理解・認知していただく活動に注力していく」。

 今年、認知拡大の一環として1月に発売したのが、EXILE TETSUYAさんがプロデュースする「AMAZING COFFEE」の味を忠実に再現したコーヒーカプセル。

 続いて3月には「すばな珈琲」(鳥取県)の味を忠実に再現したコーヒーカプセルを新発売して、平井伸治鳥取県知事の目にも留まり情報が拡散されたという。

 「ブランドとコミュニケーションのアクションの組み合わせを強化していき認知度を高めていくのが当面の大きな方向性」と位置付ける。

 家庭用の販売チャネルは、EC・TV通販・ポップアップストアの主に3つに引き続き注力していく。

 現在、スーパー・量販店などの小売店では販売していないが「アメリカのように、25年までにはどの量販店さまの棚にも置かれている状態を目指していく」。

 販売チャネルで現在伸び盛りなのがポップアップストアで、関東圏を中心にショッピングストアなどの商業施設で臨時の売場を設け試飲を促している。

販売チャネルで現在伸び盛りなのがポップアップストア。写真は「キューリグ」体験の場のイメージ
販売チャネルで現在伸び盛りなのがポップアップストア。写真は「キューリグ」体験の場のイメージ

 「昨年9月の開始から段階的に拡大して、現在はひと月あたり20か所のペースで活動している。淹れたてのコーヒーなどが無料で飲めることに加えて有名ブランドのロゴが複数露出していることが目立って足を止めてもらえる確率は高い」と述べる。

 21年に実施したブランドとコミュニケーションの刷新が奏功して、ポップアップストアで一番反響が大きいのはマルチブランドだという。

 「“こだわりの一杯”をテーマにした従来の訴求を改め、マルチブランド・マルチドリンクがお家の中で楽しめるということをポップでカジュアルに伝えるようにした」と振り返る。

「キューリグ」の一番の特徴は、企業の垣根を超えた専用カプセルでのマルチブランド・マルチドリンクの展開にある。
「キューリグ」の一番の特徴は、企業の垣根を超えた専用カプセルでのマルチブランド・マルチドリンクの展開にある。

 西本社長は大手コンサルティングや外資ファッションブランドのディレクターを経て21年から現職。「現在は積極的に投資し売上げを大きく伸ばしていく段階にある。投資回収は就任から5年後の25年を目指している」と意欲をのぞかせる。

 「キューリグ」は01年に日本上陸。米国キューリグ社とUCCの合弁会社キューリグFE社で経営開始し、19年にユニカフェにキューリグ事業を移管しUCCグループの完全子会社化。

 その後、「キューリグ」の浸透と認知拡大には息の長い投資が必要と判断し、20年に新設したカップスにキューリグ事業をさらに移管した。

 UCCグループで展開しているカプセル式コーヒーマシン「DRIP POD(ドリップポッド)との棲み分けについては「『ドリップポッド』はUCCの歴史と技術を結集したものでUCCの販路で売られているが、『キューリグ』はUCCの手から離れ、UCC以外のさまざまなブランドの力を使って大きく伸ばしていく」と説明する。

 一方、本場・米国では、1992年に米国キューリグ社が設立。04年に家庭用の販売とマルチブランドのモデルを開始してから急成長を遂げ、現在、全米コーヒーマシン市場でトップシェアのポジションにある(ユーロモニター調べ)。

 また18年のKGM At Home Omnibus Studyによると米国の約4世帯に1世帯が所有していることが判明した。

 この米国の成功事例を受け、日本では19年からマルチブランドモデルに着手し家庭用に注力している。

 業務用については「決して捨てておらず、今まで提案していなかったところに挑み続けていく。業務用を堅実に成長させながら家庭用を飛躍させるのが我々の目指す姿」との考えを明らかにする。