エア・ウォーター 松林良祐社長 売上高1兆円から次のステージへ 持続的成長と収益向上目指す

エア・ウォーターの松林良祐社長は4月の就任以来初となる会見に先立ち、抱負や売上高1兆円達成の意義について語った。

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2010年からの目標であった1兆円を達成するタイミングで当社の業務執行の先頭に立ち、身が引き締まる思いだ。当社の創業理念や価値観を継承しつつ、皆さまの期待に応えられるように全力で取り組んでいきたい。

これまでエンジニアリングや技術開発に長く関わってきたこと、海外事業の立ち上げに一から関わってきたことが評価されたと考えている。エンジニアリングや研究部門では、業務のなかでブレークスルーすべき課題が与えられ、チームのメンバーや協力会社と許容される予算や時間のなかで最適化へ導くことを学んできた。海外事業においては、文化が異なるなかで事業を立ち上げる時に、これまでとは別のアプローチから、限られた時間のなかで素早く決断して実行することを学んできた。それが現在の私のベースとなり、大きな財産になっている。

当社は昨年、豊田喜久夫会長のもと大きな組織改革を実行して、新たにグループユニット制を導入した。部門間の連携を高め、脱炭素や食糧自給率、健康寿命の延伸などの社会課題に向き合い、地球環境とウエルネスの2つの成長軸において、成長力強化と収益力向上に取り組んでいる。

同じく昨年打ち出した、新中期経営計画「terrAWell(テラウェル)30」の経営目標、成長戦略に向け、私がこれまでに培った経験を活用して、社内の事業、人材、技術を結集して、新たな価値や事業を生み出し、社長として使命を果たしていきたい。

社会経済に確実性がますます高まる時代に、当社が持続的に成長していくためには、会社も社員も常に変革しながら、環境に適応し続け成長していくことが求められている。これまでにも業界に先立ちいろいろな改革を実現している。こういった当社のダイナミズムを受け継ぎ、かつイノベーションを創造することも私に課せられた重要な役割だと感じている。

イノベーションの源泉は社内の人材だと考えている。すべての社員がチャレンジして成長できる場を提供できるように、人事制度に取り組んでいきたい。昨年は社内公募制度を採り入れDXや海外分野の人員を公募制で募集したところ定員を上回る応募があり手ごたえを感じている。意欲のある人材を評価できる仕組みを構築し、2030年に向けて成長戦略を描き、実現に向けて邁進していきたい。

1兆円に近づいてきた昨年から、お客様や社会から当社への期待が高まっていると感じている。期待が高まることにより、われわれの事業機会が増えていて、それに応えることで新たな事業が生まれている。その好循環をこれからも続けて事業成長を続けていきたい。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)