UCC大型紙パックコーヒー飲料に本格参入 「ゴールドスペシャル」と「上島珈琲店」から新商品投入

 UCC上島珈琲は、家庭用レギュラーコーヒーの主力ブランド「UCCゴールドスペシャル」とショップブランドの「上島珈琲店」の2ブランドで1Lの大型紙パックコーヒー飲料市場に本格参入する。

 大型紙パックコーヒー飲料市場がボトルコーヒー(大型ペットボトルコーヒー)と比べて高単価でありながら近年継続的に拡大していることに勝算を見込む。

 同市場について、2月21日発表した油谷仁敬マーケティング本部副本部長兼飲料マーケティング部部長は「紙パックユーザーは非常に嗜好性が高く、コク深い味わいや香りを楽しみたいユーザーが増えている。単価にも注目し、飲料カテゴリーでは非常に珍しく、200円以上の価格帯が好調で高価格帯が伸びている」との見方を示す。

 「ゴールドスペシャル」と「上島珈琲店」の役割分担については「当然、それぞれの製品特徴の違いから価格帯を分けている。販売チャネルについては明確には区別していないが、高価格帯を求められるお客様が多い流通様には『上島珈琲店』を提案し、『ゴールドスペシャル』においてはどこの売場にも置かれているブランドのため間口(飲用層)を極力広げるべく、いろいろなところに置いていただけるように提案していく」と説明する。

 「上島珈琲店」からは「アイスコーヒー無糖」と「同 微糖」の1L紙パックコーヒー飲料2品を3月6日に新発売した。
希望小売価格は2品とも税別398円。

 2品のこだわりポイントは、エチオピア・コロンビアの厳選アラビカ豆100%を使用したフルーティーな味覚設計と、ネルドリップ抽出でなめらかな口当たりと心地良い余韻を打ち出した点になどにある。

 「ショップのアイスコーヒーを味覚ターゲットとし、コーヒー豆を非常に贅沢に使用して、しっかりとしたボディ感・コクも実現している」と述べる。

油谷仁敬マーケティング本部副本部長兼飲料マーケティング部部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
油谷仁敬マーケティング本部副本部長兼飲料マーケティング部部長

 「上島珈琲店」のコミュニケーションは、昨年発売開始したレギュラーコーヒー(豆・粉・ワンドリップ)の嗜好品と今回の飲料とを連動させて体験イベントをさらに強化していく。

 「昨年実施したポップアップイベントが大盛況だったことを受け、今年はイベント回数とエリアを拡大して実施していくことを検討していく」考えだ。

 一方、「ゴールドスペシャル」からは「どんな時代でも“いつでも変わらない特別なおいしさ”を提供することで何気ない毎日を“ちょっと特別なもの”にしてくれるブランド」として「アイスコーヒー無糖」と「同 甘さひかえめ」の1L紙パックコーヒー飲料2品を3月6日に新発売した。希望小売価格は2品とも税別248円。

 2品の共通の特徴は、単品焙煎してコク深さを打ち出しストレートでもミルク割りにも適した味わいに仕立てられている点。天然水100%で抽出してキレのある後味も特徴となっている。

 「ゴールドスペシャル」のコミュニケーションも「上島珈琲店」と同じく嗜好品と飲料を連動して実施。
“365日をスペシャルへ。”をコミュニケーションワードに掲げ、新たにWEB動画を用意するなどして春夏秋冬の季節に合わせた飲用シーンを伝達することでブランド価値を高めていく。

 今回発売する大型紙パックコーヒー飲料ではサステナビリティにも配慮し「上島珈琲店」「ゴールドスペシャル」ともにUCCグループの   「サステナブルなコーヒー調達」の基準を満たしたコーヒー豆を50%以上使用している。

 なお、大型紙パックコーヒー飲料市場は21年、金額ベースで4年前の17年と比べて20%伸長したとみている。

 伸長要因については「おいしいコーヒーをより手軽に飲みたいニーズが一番大きい。コロナ禍によって家庭内で豆を挽くところからレギュラーコーヒーが飲まれるようになり、需要が拡大した。そんな中、毎回淹れるのが手間になり、ワンドリップに移行する人もいれば、アイスコーヒーに移行する人もいる」とみている。

 この動きに対し、UCCではドライ(常温)売場で「上島珈琲店」と「ゴールドスペシャル」のラインアップを拡充し選択肢を広げることで、多様化する消費者ニーズを取り込んでいく。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)