「ちょっと贅沢な珈琲店」から“ミルクと甘みも欲する”男性ユーザーに新提案 上質アラビカ豆使用の「スティック カフェラテ」登場 味の素AGF社

 レギュラーコーヒーを軸足に展開し本格コーヒーのイメージが定着している「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドからスティックタイプのカフェラテが開発され、9月1日から全国で発売されている。

 この「スティック カフェラテ」は、インスタントコーヒー全体に対してブラジル産の上質なアラビカ種のコーヒー豆を70%使用し、それをエスプレッソ抽出してコーヒー感を強めながらミルクの風味や甘味のバランスを調整したものとなる。

 メインターゲットは、コロナ禍で在宅時間が増加した20~40代の働く男性。AGF調べによるとスティックコーヒー市場でユーザーに占める男性の割合は3割弱と低いがコロナ禍の在宅時間の増加で拡大傾向にあるという。

 取材に応じた星俊平コンシューマービジネス部マーケティング第1グループ主任は「コロナ前から男性のスティックユーザーがじわり増え始め、コロナ禍の在宅時間の増加で明らかに男性が増えた」と語る。

味の素AGF社の星俊平コンシューマービジネス部マーケティング第1グループ主任 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
味の素AGF社の星俊平コンシューマービジネス部マーケティング第1グループ主任

 これを受け新商品の開発にあたっては「コロナ禍、この増加する男性層が求める特有のニーズに対して、弊社が有するブランドのなかで最も的確にお応えできるブランド」として「ちょっと贅沢な珈琲店」に白羽の矢が立った。

 「ちょっと贅沢な珈琲店」から新提案するにあたり照準を合わせたのは、ターゲットの男性と親和性のある缶コーヒーやペットボトル(PET)コーヒー。

 「市場にある缶コーヒーとPETコーヒーを買い集めて研究所の社員とともに飲み比べして分かったのは微糖タイプが多いということ。微糖タイプをスティックコーヒーと比べるとかなり甘いのだが、イメージとしてはスティックのほうが甘く受け取られてしまっている」ことが浮き彫りになった。

 そこから味覚設計・パッケージデザインを考案するにあたっては、微糖タイプにみられる実態(それなりに糖分がある)と意識(糖分が抑えられている)のギャップに着目する。

 そのインサイトを探ったところ「午後や疲れたときに、本能的に糖と脂を欲するところに対して、ターゲットの男性の中には“ミルクたっぷりで甘いコーヒーを飲んでいる自分を認めなくない”という気持ちがあり、微糖という表現の中で糖分を摂取している」との仮説が浮かび上がる。

 これを受け「スティック カフェラテ」はまず「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドの本格コーヒーのイメージを活用してコーヒー感を担保しながら「アラビカ豆70%使用に加えて、AGFのスペシャルティ技術を駆使してコーヒーの爽やかな香りを感じられるようにした」という。

甘さについては「後を引く甘さが敬遠されやすいことが様々な調査で分かったため、後味がべとつかず抜けるような甘みで、しかも、ミルクと合わさって濃厚な味わいが感じられるようにした」。

売場に並ぶ「ちょっと贅沢な珈琲店 スティック カフェラテ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
売場に並ぶ「ちょっと贅沢な珈琲店 スティック カフェラテ」

 パッケージは「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドの特別感を打ち出しつつ甘くみえすぎないようなデザインを採用。

 「カフェラテは世の中にたくさんあり、当社商品を含めて既存品との差別化を図るため、贅沢が身近に感じられ、自己実現にもつながるイメージを目指してパッケージとコンセプトをつくりあげていった」と説明する。

 流通からの評判も高く、計画を上回る数の店舗に配荷されている。

 「『ちょっと贅沢な珈琲店』ブランド愛好者からの流入も見据え、営業部門の提案により一部の売場ではレギュラーコーヒーや個包装タイプのインスタントコーヒーと一緒になった『ちょっと贅沢な珈琲店』のエンド展開も実施している。定番の売場については、スティックのコーヒー感が強いゾーンや個包装タイプのインスタントコーヒー近辺に並べていただくように提案している」と語る。

 7本入りと22本入りの品揃えの中では、22本入りを押し出していく。「ターゲットとする男性にヒアリングすると、大容量のほうが購入頻度も少ないことからリーズナブルに感じられることが調査からわかった」という。

 コミュニケーションは効率的に認知を広める為にターゲットを絞り、SNSなどを中心にデジタルで展開していく。