サーモン陸上養殖新会社 国内で地産地消目指す 三菱商事×マルハニチロ

三菱商事とマルハニチロは、10月をめどに共同出資で富山県入善町に合弁会社アトランドを設立し、国内でサーモンの地産地消型ビジネスモデル実現を目指す。

総事業費は約110億円。2千500t(原魚ベース)規模の陸上養殖施設を建設し、稼働開始は25年度、初出荷は27年度を見込む。新会社の出資比率は三菱商事51%、マルハニチロ49%。

世界的なサーモンの需要は今後も拡大が予想されている。しかし、養殖サーモンの7割超はノルウェーとチリの2か国で生産されており、従来の手法である海面養殖では適地が限られるという。

新会社は日本国内でサーモンの地産地消ビジネスを確立したい考え。あわせて、輸入から国産へのシフトで輸送距離短縮による温室効果ガス削減が見込まれ、循環型養殖システムの活用とデジタル技術(AI・IoT)の組み合わせで持続可能な生産体制の構築も図っていく。一方、養殖場では黒部川の伏流水と富山湾の海洋深層水を使用。とくに後者は清浄性・低温安定性などの特徴を持ち、陸上養殖に必要なエネルギー量を低減する効果が期待できる。