羊肉販売に本格着手 寡占市場へ切り込む プリマハム

プリマハムは今期から羊肉の販売に本格着手する。

健康イメージの高い牧草肥育の羊肉は、ラムを中心に市場が拡大する。ただ、国内ではアンズコフーズと日本ハムによる寡占状態が続いてきた。プリマハムではこれまでグループの北海道プリマハムがニュージーランド産ラムを扱ってきたが、コロナの影響もありこの2年ほど需要に見合う供給ができていなかった。

「(ラム・マトン市場は)2大サプライヤーに囲まれて他社がなかなか手を付けられていない。コロナ以降、現地のパッカーが加工できず供給元が2社に限定されているなか、マーケットプライスがどんどん上がっている」(プリマハム食肉事業本部長・矢野雅彦氏)。北海道エリアを中心に成長余地は大きいとみて、有機JAS認証などで差別化を図りながら寡占市場に切り込む。枝肉で輸入し、国内2拠点で加工する。

昨年来の飼料価格高騰に伴うミートショックに、コンテナ不足を背景とした海上輸送の遅延常態化のダブルパンチに見舞われる食肉業界では、コスト上昇に価格転嫁が追いつかず収益が圧迫される。横並びでの価格改定しかできない牛や豚などの畜種に代わり、競合の少ない羊肉の販売拡大で利益確保を図る狙いだ。