キーコーヒー「グランドテイスト」大刷新 喫茶・カフェブランドの提案も強化

キーコーヒーは家庭用レギュラーコーヒー市場に向けて、主力ブランドの「GRAND TASTE(グランドテイスト)」に磨きをかけ、拡大傾向にある喫茶・カフェブランドのアプローチを強化する。

「グランドテイスト」はFP(粉)と簡易抽出型の2形態6アイテムを刷新し、3月1日に発売された。その刷新ポイントについて、キーコーヒーの阿部祐美子R&Dグループ設計第一チームリーダーは「顧客満足度アップの刷新ということで

①デザインの刷新
②味わいとラインアップの刷新
③内容量の刷新

-の3つの刷新を実施した」と説明する。

パッケージは、香りに着目して刷新。「『グランドテイスト』のお客様の声を確認したところ豊かな香りとしっかりとした味わいに魅力を感じていることが分かり、香りの良さが伝わるデザインにしてコーヒーカップのシズルもブラッシュアップした」という。味わいについても、全日本コーヒー協会の「2020年のコーヒー需要動向調査」を参考にして「多様なお客様の嗜好に対応できるようにするため、ラインアップをすべて刷新した」。

「コク深いリッチブレンド」(下)「香り豊かなマイルドブレンド」(右上)「濃厚なビターブレンド」(GRAND TASTE(グランドテイスト)) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「コク深いリッチブレンド」(下)「香り豊かなマイルドブレンド」(右上)「濃厚なビターブレンド」(GRAND TASTE(グランドテイスト))

ラインアップは「コク深いリッチブレンド」「香り豊かなマイルドブレンド」「濃厚なビターブレンド」の3品で、このうち後者2品は現行品とは異なる商品名となる。

定番の「コク深いリッチブレンド」は現行の商品名を受け継ぎ、配合や焙煎手法を見直して酸味を抑えた飲み応えのある味わいに変更した。

「香り豊かなマイルドブレンド」は、ブラック飲用者をターゲットに味わいを設計。「需要動向調査でブラック飲用者が増加していることが分かり、『グランドテイスト』の中でも比較的浅めの焙煎に仕上げてブラックで飲みやすい味わいを実現した」。

これに対して「濃厚なビターブレンド」は、深煎りで酸味を抑えた苦味系の味わいに仕立ててアレンジコーヒーやアイスコーヒーなど多様な飲み方に対応できるようになっている。

「ミルクやクリームを加える方が時代やトレンドにこだわらず一定数常に存在していることが確認されていることから、深煎りのアイテムを仲間入りさせた」という。

春夏と秋冬のそれぞれで期間限定発売している「季節限定ブレンド」もコーヒーカップのシズルに磨きをかけたほか「お客様の購入動機として『限定』というワードに響く方が多いというデータを確認して『季節限定ブレンド』の商品名を大きくデザインした」。

「京都イノダコーヒ オリジナルブレンド」「同モカブレンド」の簡易抽出型「ドリップ オン」シリーズ。カップに装着する専用台紙も特徴 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「京都イノダコーヒ オリジナルブレンド」「同モカブレンド」の簡易抽出型「ドリップ オン」シリーズ。カップに装着する専用台紙も特徴

喫茶・カフェブランドのアプローチ強化策としては「京都イノダコーヒ」のラインアップを拡充。3月1日に「京都イノダコーヒ オリジナルブレンド」(180g粉)、「同モカブレンド」(同)の既存2品の簡易抽出型(ドリップコーヒー)「ドリップオン」シリーズ(5杯分)と「京都イノダコーヒ 有機珈琲 古都の味わいブレンド」を新発売した。

「有機珈琲 古都の味わいブレンド」も180g粉と「ドリップ オン」の2品を取りそろえ、これにより簡易抽出型も拡充させた。

同社は一杯当たり30円以上の簡易抽出型に商機を見いだす。「ピース単価30円以上のこだわりの簡易抽出型コーヒーは近年大きく伸長し、特に喫茶・カフェブランドの商品が大きく伸長している」との見方を示す。

個包装に箱と連動したデザインを施し、1袋からの販売も可能にした。またカップに装着する専用台紙には「京都の朝はイノダコーヒの香りから」などの文言をあしらいイノダコーヒの世界観を表現している。

「有機珈琲 古都の味わいブレンド」は、需要動向調査でコーヒーのエシカル消費の関心の高さと認証コーヒーの中で有機コーヒーの認知度が高いことに着目し、有機栽培のコロンビアとグァテマラを使用して香り高いブレンドに仕立てられている。

有機コーヒー市場については「爆発的に売れているトレンドにはなっておらず、当社の既存の有機コーヒーも横ばいで推移しているが、有機コーヒーや環境に配慮したコーヒーは今後伸びていくと分析している」。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)