ハム・ソーセージ業界で進む脱プラ ウインナーの「脱巾着」の次はハム・ベーコンで縮小パッケージの動き 新・包装形態も登場

 ハム・ソーセージ業界で脱プラの環境配慮型商品への動きが加速している。

 ウインナーの定番包装形態「巾着型」からエコ型への転換は、日本ハムが先行して1月21日に公表すると、日本食肉加工協会と日本ハム・ソーセージ工業協同組合の両団体が1月26日に「業界一体となって新たな包装形態に取り組む」と発表し、その後伊藤ハム、プリマハムと続き、丸大食品も同様に動いている。

 実際、日本ハムは2月1日から切り替え始めたが、手応えは「順調」とのこと。

 もう一点、注目したい動きがある。ロースハムで長年にわたり定番包装形態となっている「ずらし連モノ」と言われる3連、4連の連結型形態での変化の兆しだ。

 ロースハムの連モノ商品はほぼこの形態で売り場に並んでおり、消費者にも認知されている。
 そうした中、日本ハムが22年春のロースハムの新商品で新たな包装形態となる4パックの「縦積み型」で発売する。

 商品名は「環境にやさしいエコなロースハム」。
 従来のずらし4連比で包装使用量を2割削減でき、ウインナーのエコ型包装同様に積載効率が上がるので、輸送時のCO2削減も期待できる。
 今のところ同業他社に追随する動きは見えないが、ハムやベーコンで包装パッケージのさらなる縮小化に向けた動きはあり、生産設備の変更など準備を整えている。

 現在、「エコなロースハム」は小売側との商談を進めているところ。
 最初から一気に売場に広がるというわけではなさそうだが、脱巾着を果たしつつあるウインナーとの「エコなロースハム」で統一した販促などで、消費者への認知拡大に向け、着実に成果を積み上げていく考えだ。

 巾着型のエコ型への転換が進んだ背景には、テスト販売で良好な結果を得たことがある。
 「エコなロースハム」も、プラ削減ができる新型の縦積み型の販売が好調ならば、既存のロースハムのずらし連モノ形態から縦積み型へ一気に進む可能性もある。

 現在はあらゆる原料や副資材など多くが高騰し、プラスチック製品の削減は各社少しでも進めたいところ。

 特に環境問題への対応は企業姿勢として問われる昨今、ハム・ソーセージの大手4社(日本ハム、伊藤ハム米久HD、プリマハム、丸大食品)は、今年度(21年4月~)からそろって新中期3ヵ年計画がスタートし、サスティナビリティ戦略を方針の柱の一つに掲げる。

 各社はこれまでも包装資材の薄肉化や縮小化など、環境問題に積極的に取り組んできている中、ウインナーの巾着型からの転換は大きな一歩であるのは間違いない。

 「エコなロースハム」の発売日は3月1日。以降の売れ行き、その後の各社の動きに注目したい。