コモのLLパン、コロナ禍追い風に売上拡大 「新5か年」へ足下固める年に 木下克己社長

84年6月の創業以来、ロングライフ(LL)パンのトップメーカーとして市場を牽引するコモ。イタリアの天然酵母「パネトーネ種」を使った同社商品は、長時間熟成発酵による製法で風味と口どけに優れ、かつ長期保存を実現。その味は高い評価を獲得してきた。

主要チャネルである生協、自動販売機(自販機)に加え、近年は量販店でも積極採用が進んでいたが、さらに「今回のコロナ禍は、当社にとってフォローの風となった」と同社・木下克己社長はこの1年を振り返る。今年は5か年計画の最終年度。「思わずしてつかんだビジネスチャンスだが、これをしっかり守り、コロナ収束後も売上げを落とさない体制をしっかり作っていく」とする。

同社の前3月期連結売上高は、前年比3.6%増の65億1千400万円。5か年計画で掲げていた売上高目標64億円を1年前倒しで達成した。

チャネル別で見ると、生協は前年比4.3%増と引き続き順調。コンビニ・量販店も同2%増とした。同チャネルは、この1~2年の食品廃棄ロス削減の機運に乗って徐々に取り扱いが増えていたが、コロナ禍がもう一押しした格好。コモが訴えてきた売場のボリューム確保、チャンスロス低減というLLパンのメリット、巣ごもり消費による需要増、環境問題に対する意識の変化などが相まって配荷が広がっている。

半面、自販機は緊急事態宣言などによる企業の在宅シフト、事業所・工場などの休業や操業停止、学校休校などが影響し、前期は5%近く数字を落とした。現在は再び増加傾向を見せ、学校などではコロナ禍での接触を忌避するために購買部をなくし、自販機に置き換えるケースも出ているという。

今期の重点施策としては、「営業面では、コロナを追い風に新規獲得した量販店の売場をしっかり維持し、足下を固める1年としたい。収益をしっかり出せることが大事だ。製造ラインについては、HACCPへの対応を進める。

また、7月中旬より自動発注システムの導入を予定しており、引き続き業務効率化や省人化を進めていく」とする。

商品開発については、「単なるロングライフというだけでなく、プラスαの価値を付加して欲しいという声が圧倒的に多い。当社でも糖質カットや鉄分、カルシウムなどを配合した商品展開を強化している。健康、美容などいろいろな切り口から新しい需要が生まれており、そこに対応していくことはメーカーとして当然のこと」。

来年度からスタートする「新5か年計画」に関しては、「無理をせずに、緩やかな成長路線を描いていく。次の5か年計画では、新工場建設が大きな目標の一つとなるが、かといって生産能力を何%アップさせたいという性急な考えはない。これまでと変わらず、美味しい商品を、事故のないように作っていく。ここに最注力していく」。