コンビニ 変化対応の雄、反転攻勢なるか 連載・アンダーコロナキッチン第2章「需要激変」〈2〉

巣ごもり消費への対応強化

コンビニエンスストアが日本に誕生しておよそ半世紀。幾度も飽和説や成長の限界点がささやかれる中、時代の変化を捉え、絶えず進化を遂げてきたが、今回のコロナ禍では想定外の苦戦を強いられた。長らく小売の主役として君臨してきたコンビニが、これだけのダメージを受けるとは、大ヒット中のアニメ映画の台詞を借りればまさに「よもや、よもや」の状況だろう。

業種業態を超えた顧客争奪戦が激しさを増す中、コンビニだから、大手だからといって、勝ち残りの椅子が用意されているわけではない。コロナ禍で大きく変化した生活者ニーズを掴み、離れた客足を取り戻すことはできるのか。

少子高齢化、女性の社会進出、単身・少人数世帯の増加など、社会構造の変化に伴う生活者の消費行動の変化・多様化に対応し、コンビニの売場構成や商品・サービスもさまざな変遷をたどってきた。

東日本大震災発生時には、初めてコンビニに足を運んだ女性や高齢者層の取り込みに成功。それまでの若年男性をメーンターゲットにした品揃えを大きく変えた。振り返ればそれも10年前のことだ。

以降、カウンターFFはスナック系からおかず・つまみ系へと幅を広げ、日配品やチルド惣菜、冷凍食品を拡充。米飯、パスタ、サラダなどは女性・シニアの購入を意識した容量や見映えを重視。デザートも専門店をベンチマークした味・彩りでファンを魅了している。

そうした中でのコロナ禍の発生。まだまだ出口の見えない状況だが、この「新常態」でのコンビニ各社の今下期商品施策は、外食・外出を控える巣ごもり消費の継続、内食需要の高まり・家庭内での調理機会の増加などに応じた商材の拡充という点で共通する。

日配品、デリカ、冷食、カウンターFFなど主要カテゴリーの継続強化は従来と大きく変わらない。その中でやはり狙いどころは、家飲み需要取り込みのための酒売場拡張とつまみ・惣菜売場との連動、冷食における素材系の品揃え充実など、コロナ特需で好調な食品スーパーの得意分野だ。

また、コンビニ各社では有名人気店とのコラボ商品をPBや留型で積極投入しているが、今回ローソンが全国の有名外食店35社と連携したように、外食を控える生活者に向けてお店の味を再現するような商品や、相互送客を促す仕掛けは面白い。

付加価値訴求型の商品提案を第一義とするコンビニだが、コロナ禍による収入減や雇用不安、デフレ圧力などで財布の紐が固くなるであろう今後、良いものを出していれば売れるはずという一方通行の理屈は通らない。競合する食品スーパーやドラッグストアなどとの価格差を埋めて余りある、買い得感、満足感を与えられるかが、生活者の支持獲得、選ばれるチェーンへの最低条件となる。”