グループ力活かすデイリーヤマザキ 強みの店内調理品、冷凍パン生地でタイムリーな品揃え

山崎製パンが展開するコンビニ「デイリーヤマザキ」の19年12月期着地は、期末総店舗数1千443店(前年比50店減)、チェーン全店売上高1千740億1千200万円(同4.9%減)。業種業態を超えた競合環境が激化する中、山崎製パンのグループ力を背景に、自チェーンの特徴、強みを生かした商品開発を推進。独自の存在感発揮に努めた。

前期の商品施策では、パンカテゴリーで8月から高品質・高付加価値訴求の「特撰シリーズ」を新規投入。「ごろっとリンゴのアップルパイ」や「あんを味わう つぶあんぱん」などが人気を集めている。

また、チェーンの特徴づけの一つである店内調理「デイリーホット(DH)」のベイク部門は、簡単に製造できる冷凍パン生地の活用によるタイムリーな品揃えの強化と、季節に応じた商品の発売や売場作りが奏功し、好調に推移。同じく「DH」のデリカでは、食材キットの活用で増産とタイムリーな品揃えがさらに進み売上げを伸ばした。

今期も自社製造のパン・和洋菓子や、グループ企業が手掛ける米飯、菓子などの商品展開に注力し、ヤマザキらしい特徴のある店作りを目指す。

チルドデザートでは、1月に新ブランド「ベストスイーツセレクション」立ち上げ、「特濃プリン」や「スプーンで食べる苺のショートケーキ」といったカップデザートを販売している。

3月には、ヤマザキ食パンの主力ブランドの1つ「超芳醇」のリニューアルと併せ、さらに高品質の「特撰超芳醇」を発売。新型コロナウイルスの影響による巣ごもり消費を取り込み、売上げを大きく伸ばした。

「DH」のベイクでは、消費者の生活パターンの変化に対応し、塩バターパンなど食事パンの複数個入り商品を発売。デリカでは、弁当が好調な推移を見せている。

今後の事業展開に関しては、「新型コロナウイルスの感染拡大による影響が大きく、当初の戦略通りとはいかない。社会の変容にいかに素早く対応するかが重要。新しい行動様式等の市場変化に対し、立地別、客層別、個店別に対応し、デイリーヤマザキならではのマグネット商品の開発と、ヤマザキらしい売場作りを推進していく」(本部)とする。

(6/5付)