「アビガン」 カネカが富士フイルムへ原薬供給で合意

食品素材のカネカ(東京都新宿区)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬候補「アビガン錠」(一般名ファビピラビル)の原薬を富士フイルムに供給することで、このほど合意に達した。

同社は、「長年培った医薬品のプロセス開発力と製造技術、品質が世界各国の大手製薬メーカーから高い評価を受けており、今回、メジャーサプライヤーとして原薬の供給を要請された」としており、設備投資や人員配置転換、生産計画調整により製造体制を至急整え、7月から供給を開始する方針。

新型コロナ感染症が広がる中で、政府は緊急経済対策の一環として治療効果が期待される「アビガン錠」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定。それを受けて富士フイルムは生産体制を拡充させ、増産を開始している。

カネカは、グループ会社Kaneka Eurogentec(本社:ベルギー王国)で、COVID-19検査に使用されるPCR検査試薬の供給を既にスタートしており、高品質のmRNAやプラスミドDNAなどの技術を用いたCOVID-19ワクチン向け受託製造も強化し、旺盛な引き合いに対応している。