東日本大震災から丸9年 新型コロナでも教訓 「ローリング備蓄」の啓発を

東日本大震災から3月11日で丸9年。新型コロナウイルスの日本国内での感染を受け、日本経済への打撃が懸念される中、ややもすれば大震災の教訓は忘れがちだ。

3月11日に向け、スーパーは3月初めから防災コーナーを開設し、食品メーカーも防災に焦点を当てた開発商品や防災セットを発表。インターネットでも防災食需要は多少増えつつあるが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざ通り、時間が経つにつれて防災意識は薄れているのが実態だ。

一方、昨年は震度6弱以上を観測する地震が熊本、北海道、山形で発生。今年に入っても、千葉県東方沖や茨城県南部で中小規模の地震が起こっている。今後30年以内に高い確率で首都圏直下型地震や南海トラフ地震の発生が予想されており、改めて企業への地震対策が求められている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業の危機管理への必要性が高まる中、地震など自然災害に備えたBCP(事業継続計画)対策を見直す企業も出ている。

個人向けの防災対応としては、普段から少し多めに食材、加工食品などを買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくという、日常の中に食料備蓄を取り込むローリングストックという考え方がある。数年前から農水省も推奨しているが、いまだ認知率は低く、実践している家庭は全体の2割という調査もある。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う小中高校の臨時休校により子どもの在宅時間が増えたためコメや冷食、即席麺、レトルト食品など日常食が品薄状態となり一部のスーパーでは店頭在庫がひっ迫している。

業界では、国産品だけに品切れの心配はないとし、買い占め自粛を求めているが、一度起こるとパニック心理の抑えはきかない。普段から使ったら使った分だけ買い足すローリングストックが定着すれば、こうした問題も回避されるはず。

平時から有事に切り替わるのは一瞬。好みや必要に応じ、ローリングストックなどにより食料をストックしておくことは、自然災害に限らず有事に向けた食品備蓄のポイントと言えそうだ。