コンビニ、食品廃棄削減に本腰 セブンが「1/2ルール」 長鮮度化、値引きの試みも

今年に入り恵方巻の大量廃棄が再びクローズアップされたのをきっかけに、改めて社会的な注目を浴びているCVSの食品廃棄問題。チェーン各社では、廃棄削減への取り組みを強化している。

セブン―イレブンは8月から、食品廃棄の温床となってきた1/3ルールを、カップ麺を皮切りに「1/2ルール」に改める。

従来は製造~納品期限、店頭販売期間、消費者の保存期間に、それぞれ賞味期限を3分の1ずつ割り当ててきた。新ルールでは納品期限までに2分の1を割り当てる。これまで賞味期限が3分の2近く残っていながら物流センター段階でメーカーに返品せざるを得なかった商品も、販売ルートに乗ることになる。販売期間は従来通りのため、消費者の保存期間は半減するケースも出てくる。

14年から飲料・菓子では実施してきたが、昨年に実施した北海道でのカップ麺のテストではメーカー返品金額が4分の1になったという。

「1/2に変えることで取引先の需給管理が容易になる。特にカップ麺のような改廃の激しい商品ではメリットが出やすい」(石橋誠一郎グループ商品戦略本部長)。北海道地区では2月からカップ麺以外の加工食品にも同ルールを拡大しており、検証を経て年度内にも全国に広げる。

同社ではこのほかにも中食の長鮮度化や、取り扱い終了予定商品についてはセンター段階での欠品を容認する方針に転換するなどして食品ロス削減を推進。加工食品で約13%の市場シェアを持つグループの一員として社会的責任を果たす考え。

またファミリーマートでは廃棄ロス削減に向け、おせち、大型クリスマスケーキについては今期から完全予約制に変更。特選弁当や恵方巻、土用の丑のうなぎなどについても予約販売を強化する。チルド弁当や包装惣菜を中心に中食の長鮮度化も進める。

ローソンは「売り切りオペレーション」を本格化。「従来もカウンターFFの値引き販売を実施してきた。これを統計化し、いつどれくらい作っていつまでに売り、売れ残ったものはこの時間帯から値引きで売り切るというオペレーションを実行している」(竹増貞信社長)といい、さらに社会に貢献できるオペレーションの確立へ既に具体策を準備中という。

ポプラも見切り販売に着手。24時間営業店が少ない弱みを逆手に取り、昨年から一部店舗で閉店前に弁当やおにぎりの値引き販売を実施し、廃棄ロス削減とともに売上げや粗利の改善に成功している。今後、実施店舗を広げていく計画だ。