味の素AGFは、東西の生産拠点・AGF関東(群馬県)とAGF鈴鹿(三重県)で地域貢献活動を深化させている。
両拠点とも活動のベースとなるのは「AGFブレンディの森」。両工場の周辺に広がる森林の一定区画を「AGFブレンディの森」群馬、「AGFブレンディの森」鈴鹿と称し、ここに社員が定期的に訪れ、時には地元関係者や パートナーとともに間伐や下草刈りなど森林・水源を守る活動を行っている。
6月15日には、「AGFブレンディの森」群馬の活動として、生産拠点のAGF関東、群馬クレインサンダーズとともに親子向けイベントを共同開催した。
地域貢献の考え方について、この日、イベント会場で取材に応じたAGFの中澤正規執行役員ビジネスクリエイション部長は「生産拠点がある鈴鹿と群馬を中心に、AGF単体ではなく、地域に根差している社外の方々とパートナーシップを結び一緒になって環境・地域社会に貢献していくことが大事」との考えを明らかにする。

この考えのもと、昨年7月、群馬クレインサンダーズを運営する群馬プロバスケットボールコミッションと2024-25シーズンのオフィシャルパートナー契約を締結。群馬クレインサンダーズ・AGF関東ともに群馬県太田市を拠点とし、今回のイベントはこれに基づく活動となる。
イベントでは「AGFブレンディの森」群馬の活動内容を動画で紹介したほか、木工クラフト体験や群馬クレインサンダーズの細川一輝選手と池田親平アシスタントコーチ兼スキルコーチを交えた丸太切り体験などが実施された。
丸太切り用や木工クラフト用の木材は、「AGFブレンディの森」群馬の活動でAGF社員が切り倒したスギの間伐材を使用した。

太田市では、コーヒーを通じて、ココロとカラダに対する3R(Relaxくつろぎ・Reset心の整え・Refresh 気分一新)とサステナブルな社会の実現に貢献していくことに重きを置く。
コーヒーエントリー層との接点拡大などを目的に太田市の各所でコーヒーの淹れ方教室などを実施している。
その中で先行するのが「イオン太田店」との取り組みとなる。「イオン太田店」のコーヒー定番売場にAGF関東の製造工程をイメージした展示物を17年に設置。以降、チョークアートを用いるなど改良を重ね、現在、「コーヒーの森」と称する売場を展開している。
ここでは、コーヒーのおいしさや産地に関する情報のほか、サステナブル利用に関する情報を掲示。リラックスや癒しを感じてもらう工夫としては、LEDライトを用いた木漏れ日の再現や、人感センサーによる小鳥の鳴き声のBGMの演出が施されている。
催事でもコーヒー文化の浸透とサステナブルの啓発に取り組んでいる。
今年2月には、群馬クレインサンダーズ主催の子ども向けイベントにAGFも出展し、コーヒー染め体験を実施した。
4月には家族連れを対象に、ポーションを使ったオリジナルドリンク作り体験を実施。5月には、コーヒーの淹れ方教室を開催し、コーヒーの正しい抽出方法を伝えた。

一方、西の生産拠点・AGF鈴鹿がある三重県は、イオン創業の地でもあり、イオン・三重県との三位一体の取り組みがなされている。
直近の取組みでは、「イオンスタイル鈴鹿白子」の1周年祭りで、マイボトル作りイベントへの出展や、「ブレンディ マイボトルスティック」の認知拡大イベントを実施した。
三重県は、環境配慮と熱中症対策として、マイボトルと各所に設置されたウォーターサーバーの活用を呼びかけている。
今年に入り、AGF鈴鹿初の試みとして、鈴鹿市と「大規模災害時における電力・飲料水等の提供に関する協定」を締結した。

3月18日、AGF鈴鹿で開催された締結式で鈴鹿市の末松則子市長は「鈴鹿市は南海トラフ地震の想定震源域にあることから、防災・減災対策の推進や地域の防災力の向上は喫緊の課題」と語る。
AGF鈴鹿の富樫政昭社長も「地域社会の安全と安心を確保することが企業の社会的責任。自然災害やその他の緊急事態が発生した際、迅速で効果的に対応するためには、地域の自治体や他の関係機関との連携が不可欠」と力を込める。
大規模災害時に提供する電力は、AGF鈴鹿の建屋にこのほど設置された太陽光パネルなどの太陽光発電システム設備から供給される。厚生棟1階に設置された携帯電話充電ロッカーで一度に50台のスマートフォンなどの充電ができる。
提供する飲料水は、110平方メートルの給水用タンクに蓄えられた地下水が充てられる。
今後も三者でさらなる連携体制構築に向けて動き出す。
