カレーを販売するキーコーヒー カレー大學の井上岳久学長を招き今年のカレーのトレンドとコーヒーとのマリアージュを発信

 喫茶店やカフェなどの業務用市場向け食材の1つとしてレトルトカレーを販売するキーコーヒーは7月18日、カレー大學の井上岳久学長(カレー総合研究所代表)を招きコーヒーとカレーのマリアージュやカレーの最新トレンドを発信した。

 人手不足に悩む業務用市場に向けて、オペレーションの効率化とメニューの魅力アップを両立させるものとして、簡単に調理できるレトルトカレーとコーヒー・周辺食材との組み合わせを改めて提案していくのが目的。

 マーケティング本部R&Dグループ設計第二チームで業務用食材や業務用リキッドコーヒーを担当する髙嶋香穂さんは「コーヒーとカレーの組み合わせは、客単価も取れて提供しやすいということから喫茶店で根づいてきたという背景がある。コーヒーとカレーには共通点があり、今回、初めて業務用食材でこのような打ち出し方をした」と語る。

左からキーコーヒーの松本葵さん、高嶋香穂さん、カレー大學の井上岳久学長
左からキーコーヒーの松本葵さん、高嶋香穂さん、カレー大學の井上岳久学長

 コーヒーの持つ多層的な風味は、カレーの持つ多香性・多味性と非常に相性がいいという。

 マーケティング本部市場戦略部でコーヒー教室主任を務める松本葵さんは「中煎りから深煎りのコーヒーには、熟した果実などの複雑な酸味が感じられ、それがカレーの香りや味わいと重なり相乗効果を生み出す。中煎りから深煎りのコーヒーの持つ焙煎香や苦味もスパイスの焦がし香や旨味と重なり、味の奥行を深めることができる」と説明する。

 カレー大學の井上学長は、カレー業界には喫茶店発祥の“カフェカレー”という分野が一定のボリュームを占めていることや、カレーのトレンドが毎年巻き起こっていることなどを紹介する。

キーコーヒーの業務用レトルトカレーと業務用コーヒー
キーコーヒーの業務用レトルトカレーと業務用コーヒー

 今年のトレンドについては、2006年の黒カレーブームが形を若干変えて再来したと指摘する。

 「現在の黒カレーブームには2つの流れがある。1つは欧風系カレーのプレミアム黒カレー、もう1つがインド系カレーのネオ・カシミールカレー」と語る。

 黒カレーブームの背景には、家庭用の市販商品で黒カレーが売れ始めたことが起爆剤となりコンビニや外食などに波及していったことを挙げる。

 「お家のカレーは週1回の頻度で食べる人が多く、同じカレーだと飽きてしまい、変化を持たせる必要がある。プレミアム感を出したり、スパイスカレーにしたりと、その延長線上に黒カレーがある。色を変えるだけでもとっつきやすい」と述べる。

 キーコーヒーは13種類の業務用レトルトカレーを取り揃える。そのうち、黒カレーのトレンドに対応したものに「プロジーヌ ローストスパイスビーフカレー」がある。

 同商品は、9種類のスパイスをブレンドし隠し味にキリマンジャロコーヒーを使用したもので、約15年前から発売している。