品薄「ヤクルト1000」増産へ 静岡に「富士小山工場」設立

ヤクルト本社は、今年4月に生産子会社の富士小山ヤクルト工場(静岡県駿東郡小山町)を設立し、品薄状態が続いていた宅配商品「Yakult(ヤクルト)1000」と店頭商品「Y(ワイ)1000」の増産体制に踏み切る。操業開始は来年3月を予定。

両品は、精神的なストレスを和らげ、睡眠の質(眠りの深さ、スッキリとした目覚め)を高める機能性表示食品として爆発的な売れ行きを示し、昨年の食品、飲料業界の中で唯一のヒット商品になっていた。作れば作っただけ売れる状態が続き、「ヤクルトレディによるターゲット層に向けた啓発や、SNSを通じた口コミなども好循環につながった」と同社。話題が話題を呼び、一気に需要を押し上げてきた。しかし需要に供給が間に合わず、早くから製造体制の強化が待たれていた。昨年11月に行われた第2四半期決算説明会でも、生産体制の強化を最優先に取り組み、さらなる増強を図る方針を示していた。

2023年1月時点の「Yakult1000」を含むヤクルト商品の生産工場は岩手ヤクルト工場、千葉ヤクルト工場、愛知ヤクルト工場、岡山和気ヤクルト工場、福岡ヤクルト工場の5か所で、来年3月操業の富士小山ヤクルト工場が加わることで生産体制を拡充する。

ヤクルト本社100%出資の生産子会社「株式会社富士小山ヤクルト工場」は、23年4月6日設立予定。資本金は9千800万円、所在地は静岡県駿東郡小山町菅沼834番地6(同社協力工場・飲料工場敷地内に立地)、敷地面積は2万2千708.47㎡、延床面積は8千958.63㎡、代表者は堤康彦氏(予定)、操業開始は2024年3月(予定)、生産能力は日産60万本(予定)。